多数の観光地がある日本ですが、一年を通して大人気のディスティネーションといえば「京都」です。特にこれからの季節は、紅葉で赤や黄色に美しく染まった寺町の風景目当てに、大勢の観光客でにぎわいます。
そして京都の旅は、どこをメインに見てまわるかを決めるのが重要です。一口で京都といっても、これがなかなか広域に渡り、見どころも点在しているので、今回は何を一番のお目当てにしようか?と悩みます。
そこで観光シーズンまっさかりのこの時分、あえて中心をはずした京都旅をおすすめします。例えば、宇治あたりに足をのばし、そこだけをゆっくり楽しむなんてプランはいかがでしょうか。
宇治のシンボル「平等院」で平安の美に触れる
世界遺産「平等院」があることで知られる宇治は、京都の南に位置します。京都駅からの所用時間は電車で約1時間。町の中心を宇治川が流れ、緑が生い茂る山々に囲まれる、とてものどかな場所です。
宇治川を挟んで両側に、平等院、宇治上神社、興聖寺といった仏閣・寺院が点在するので、宇治観光は常に宇治川の景色を眺めながら楽しむことになります。
宇治を訪れる人がまず足を運ぶのが「平等院」です。1052(永承7)年、時の関白だった藤原頼通によって開かれた寺院で、鳳凰堂の屋上に据えられた鳳凰像が一万円札に印刷されていることでもおなじみです。
建築はもちろん、彫刻、工芸、絵画など数々の国宝が並ぶこの寺院は、まさに我が国の至宝といえます。現在、鳳凰堂内部は修復中で阿弥陀如来坐像が安置された部屋の全貌を見ることはできませんが(阿弥陀如来坐像の観覧は可能)、敷地内に併設されたミュージアムの鳳翔館では、最新の技術により鳳凰堂が造られた当時の再現イメージを体験することができ、そのきらびやかさに驚くはずです。
週末ともなればものすごい数の拝観客であふれるので、行くなら朝一番の早い時間がおすすめです。