観光のお目当てにする滝といえば、栃木県「華厳の滝」のように、ごうごうと激しく音を立てて落ちる瀑布が人気です。しかし自然豊かな草津には、荒々しい瀑布ではないのになんとも不思議な魅力を持つ、人気の滝があるとのこと。今回はその滝を、埼玉出身のツーリングライター・梅原 慎治さんが探しに行ってきました。
マニアが愛する名滝「嫗仙の滝」
温泉地として有名な草津の山奥に、マニア受けする滝があるとのウワサを聞いたのは、山が彩りを帯びる前でした。
滝というと一般的には、荒々しかったり、豪快だったりするものが人気を博しそうなものですが、ウワサの滝「嫗仙の滝(おうせんのたき)」はそういった類のものではありませんでした。どのようなものかを一言で表すのは難しいのですが、あえて言葉で表すならば、“色気”と“不気味さ”を兼ね備えた滝といった感じでしょう。
草津の“滝”があまり知られていないことからも察しがつくかもしれませんが、この滝、あまりアクセスが良いとは言えない場所、というより、分かりにくい場所にあります。草津の繁華街である湯畑から比較的近い場所ではあるのですが、私自身、スマートフォンのナビアプリで目的地を設定したところ、駐車場には行けずに、山を挟んで駐車場と反対側の細い道に案内されてしまいました。
草津より南側からアクセスする場合、ナビで設定する目的地としては、「嫗仙の滝」とはせず、「セブンイレブン群馬草津東店」とすることが良いかもしれません。このセブンイレブン脇の細い道を進むことで、嫗仙の滝の駐車場に辿り着くことができるからです。
駐車場は舗装されてはいませんが、訪れる観光客の数を考えると十分な広さがあります。駐車場にある案内板には、滝までの行程は約1kmと書いてあったので余裕だなと思ったのですが、それが間違いだったと気付いたのは、滝を見るため歩き出した後のことでした。