どこか妖しげで艶っぽい。草津の秘境的な名瀑布「嫗仙の滝」

茶褐色の滑り感のある岩肌と中腹に口を開けた2つの穴が、不思議な雰囲気を醸し出します。
水量自体はさほど多く無いようです。滝の右側の壁が白っぽくなっているのは、湯の花みたいな成分が付着しているのでしょうか?

滝といわれて想像するゴツゴツとした岩肌ではなく、柔らかく丸みを帯びた岩肌は、雄々しいイメージの滝と比べて“色気”を感じるように思いませんか?そして、茶褐色の岩肌とぽっかりと口を開けた丸い穴が、なんだか“不気味さ”を感じさせるような気がします。

土っぽく見える茶褐色の滝や河原ですが、“岩肌”と書いたように、その地は岩だと思われます。おそらく流れる水に鉱泉(水は冷たいので温泉ではない)が含まれていて、その成分(鉄分など)が付着して、このような色になっているのではないかと思います。そのため、水の付着が少ない穴の中や、滝の脇は、普通の岩の色のように見えました。

穴の部分のアップです。内部に岩のようなものが見えますが、水が当たっていないせいか、周囲の茶褐色とは違う色に見えますね。

普通の滝とちょっと違う雰囲気の嫗仙の滝は、観光用に整備された滝とは異なり、道中はかなりキツイ部分もありますが、その分話題性も抜群なので、一見の価値ありだと感じました。私が行った時は、紅葉が始まりだしたころで、赤や黄色と緑、空の青、滝の茶色などが混ざり合って、とても良い雰囲気でした。

滝の頂上部のアップです。全体として見るとしっとりとした雰囲気がありますが、アップにすると水しぶきの荒々しさを垣間見ることができますね。そして、紅葉とのコラボも良い雰囲気です。

そういえば、この日は風邪気味だったのですが、滝の周囲に立ち込めるマイナスイオンを吸い込んだことと、滝への往復で大量の汗をかいたせいか、いつのまにか体調が回復して鼻詰まりが治っていました。

下流側には、小さな噴き割れの滝のような窪みがありました(滝とは言えない小さな窪みです)。

ちょっと冷え込む季節になってきましたが、運動不足の解消を兼ねて、ほかに類を見ない珍しい滝を見に行ってみるのはいかがでしょうか?

夏場なら、沢に降り立って水の冷たさを感じるのも良いかもしれません。また、今回は時間や体力の都合で見ることができませんでしたが、滝の近くにある巨木「嫗仙の滝のカツラ」や、もう少し足を伸ばして「谷沢の姫カツラ」を見に行くのも良いかもしれません。

  • 嫗仙の滝(おうせんのたき)
  • 群馬県吾妻郡草津町

※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。

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