鏡もち、お節…日本人なら知っておきたい文化伝統に関する英訳クイズ

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問題その4 「お節料理」、英語で何という?

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お節料理は正月のごちそうです。この料理はどのように英訳すればいいのでしょうか?

筆者が中学生のころ、英語の授業でALT(外国語指導助手)の米国人と日本人英語教師のやりとりがあり、お節料理を知らない米国人への説明に英語の先生が困って、「Osechi is osechi!」とごり押ししていた姿を鮮明に覚えています。なるほど、お節料理と直接交換できる英単語はありませんから、ある意味で正しい説明ですよね。

『ジーニアス和英辞典』には、お節料理の英語訳が記載されていません。筆者については、日本文化を扱った書籍の英訳時に、米国人の翻訳パートナーとthe osechi cuisineと英訳しました。お節料理も何かと言えば料理です。「料理」をcuisineと英語にして、「おせち」の部分を音写した感じですね。ただ、お節とはそもそも、

<正月や節句のごちそうに用いる煮しめ料理>(広辞苑より引用)

とあります。正月だけでなく、節句のごちそうに用いる料理でもあるそうですから、festiveとcuisineを結び付けても良さそうですね。

解答例:the osechi cuisine

問題その5 「お雑煮」、英語で何という?

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最後はお雑煮です。お雑煮に関しても同じですが、まずは結局この物体が、何なのかを考えてみるといいかもしれません。言ってしまえば、soupですよね。

さらに、お節料理方式で、「おぞうに」という音を音写してthe ozouni soupと、筆者は米国人翻訳パートナーとかつて英訳した経験があります。『ジーニアス和英辞典』はどうでしょうか。

<rice cake(s) boiled with vegetables>(上述の書籍より引用)

「もちを野菜と煮た(料理)」という意味ですね。ただ、こちらは誤解を生む表現かもしれません。日本人的な視点でいうと、お雑煮に野菜を入れない地域も少なくありませんし、極端な話、主役のもちをお雑煮に入れない地域すら存在します。

それでも汁物である点は全国変わりがありませんから、やはりsoupと表現し、お雑煮の部分は思い切って音写して、the ozouni soupと英訳した方がいいのかもしれませんね。

解答例:the ozouni soup

今回は年末年始によく使う日本特有の名詞表現を、どのように英語で表現するかクイズでご紹介してみました。耳=earsのように、一対一で正確に翻訳できる言葉ではない日本語ばかりですから、上述の「解答例」を参考に工夫してみてくださいね。

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