世界で最も有名なお祭りといっても過言ではない、スペイン・パンプローナの「サン・フェルミン祭」。日本では「牛追い祭り」と呼ばれていますね。
ニュースやバラエティ番組などでも取り上げられることの多いこのお祭りを一躍世界中に広めたのが、アメリカの小説家、アーネスト・ヘミングウェイでした。
ヘミングウェイが1926年に発表した小説『日はまた昇る』のなかでこのお祭りの描写をしたことにより、英語圏に、そして遠く海を越えた日本にもこの異色のお祭りの存在が広がりました。
毎年7月に行われる牛追い祭りは、細い路地裏を大きな牛が駆け抜けると言う危険極まりないものです。日本では「今年はけが人が出た」「出なかった」などと言う報道のされ方が多いのですが、牛追い祭り自体はとても由緒があり、パンプローナ市民にとってはなくてはならない大イベントなのです。
2018年7月、そんなパンプローナの牛追い祭りを体験してきたので、さっそくご紹介します。
スペイン・パンプローナとは
「パンプローナの牛追い祭り」といわれ、街の名を世界中に知られている「パンプローナ」はスペインの北東部にあるNavarra(ナバーラ)州の州都です。普段は穏やかで、観光客もバルセロナやマドリッドに比べると多くないこの街ですが、サン・フェルミン祭の時期だけは200万人以上の人々が集まります。
パンプローナへ入るにはマドリッド(マドリード)やから高速鉄道を利用するか、近くの都市からバスを利用するか、パンプローナ空港を利用するかなのですが、サン・フェルミン祭の時期はどれも一杯でその場でチケットの入手は困難です。必ず予め予約をして行くようにしましょう。
同じようにパンプローナ市内のホテルも一年前から満室のところがほとんどです。サン・フェルミン祭などあまりにも有名なお祭りに参加する時は、個人旅行ではなくツアーに参加するほうがおすすめですね。
牛追い祭りの起源は?
荒々しい牛の様子や、逃げ惑う人々の様子のみがクローズアップされがちなサン・フェルミン祭ですが、もともとの起源はとても由緒正しく宗教的な意味合いを持つものです。
パンプローナの守護聖人である聖フェルミンを称えるお祭りで、Encierro(エンシエロ)と呼ばれる牛追いに参加する人はもちろん、見学するだけであっても真っ白な上下の服を着て首には赤いバンダナを巻き、腰にはベルトを付けると言う正装が推奨されています。
確かに街中はお祭り騒ぎですが、そんな街に溶け込むためにも服装なんてと思わずに、きちんと準備を整えましょう。
パンプローナの地元の人たちも実は観光客の服装をちゃんと見ていて、正装しているか否かで対応が変わったりもします。それほど由緒あるお祭りで、パンプローナの人々にとっては大切なものなんだと言うことを忘れないようにしましょう。