都心から比較的足を伸ばしやすいエリアで、宇都宮餃子などのグルメや日光東照宮などが人気の栃木県。
そんな有名観光地はもちろんですが、実は「日本遺産」として認定された歴史的名所も県内に多数存在しています。そんな魅力がたくさん詰まった栃木県を、埼玉出身のツーリングライター・梅原 慎治さんが探索しに行ってきました。
栃木県の歴史に触れる旅
「日本遺産(Japan Heritage)」という言葉を聞いたことはありますか?地域活性化を図るための取り組みとして、2015度から登録が始まった、地域の文化や伝統を語るストーリーに基づき、文化庁が日本遺産として認定を図るという取り組みです。
今回は栃木県内で登録された日本遺産に触れてきました。2018年12月時点、栃木県内で登録されている日本遺産は「近世日本の教育遺産群:足利市」、「明治貴族が描いた未来:那須塩原市他」、「地下迷宮の秘密を探る旅:宇都宮市」の3つです。
このなかで2つ目に記載した「明治貴族が描いた未来」に関しては、申請都市が複数にわたるため、今回は「近世日本の教育遺産群」として関連施設「足利学校跡」を、「地下迷宮の秘密を探る旅」として関連施設「松が峰教会」を訪ねてみました。
「近世日本の教育遺産群」は、他県他市との共同申請であり、栃木県内では足利市の「足利学校跡」がその関連施設です。この足利学校は日本最古の学校の再建物として知られています。
その歴史は古く、創建は、奈良時代とも、平安時代とも、鎌倉時代とも言われているそうですが、歴史的に明確なのは室町時代からだそうです。
“学校”とは銘打たれていますが、現代の学校とはことなり、その精神は“自学自習”にあったそうです。つまり現在のように授業ごとに先生がいて生徒がいるというスタイルではなく、生徒自身が学ぶ姿勢を示し、先生がサポートするというスタイルだったのかもしれませんね。
志が高い者の集まりですから、学習レベルは自然と高くなっていたのだろうと予想されます。
構内には、“欹器図(ききず)”という傾いた金属の器があり、孔子の戒めの言葉が記されています。その器は、空の時は傾いており、丁度良く水が貯まった時は垂直となり、水が多くなると傾いてこぼれてしまうという不思議な器です。
孔子の言葉によれば、「いっぱいに満ちて覆らないものはない」とのことで、慢心や無理によっては、築き上げたものが台無しになるという事を説いているようでした。何事も、ちょうど良いさじ加減というのが大事なのでしょうね。
- 史跡足利学校
- 栃木県足利市昌平町2338
- 料金参観料金:一般 420円、高校生 210円、中学生以下 無料
- 時間参観時間:4月から9月 9:00~17:00/10月から3月 9:00~16:30(参観受付:終了30分前まで)
- http://www.city.ashikaga.tochigi.jp/site/ashikagagakko/
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