節分のこと説明できる? 外国人にも教えたいニッポンの「豆」知識

節分の日にどうして「豆まき」するの?

2月の一大イベントといえば節分ですよね。節分には季節を分けるという意味が含まれており、もともとは春夏秋冬が始まる日の前日に行われる行事でした。本来は年に4回あったイベントなのです。

最近では、節分の日に恵方巻きを食べるといった行事が話題になっていますよね。

恵方巻き image by: Shutterstock.com

恵方巻きとは歳徳神(としとくしん)という、その年の福徳を司る神様がいる方向を向いて食べるものです。七福神にちなんで7種類の具材が使用されていて、切らずに恵方を向いて無言で食べると願いが叶うと言われています。

そんな節分では毎年きまって「おには〜そと、ふくは〜うち」といって部屋で豆まきをしますよね。

地域によっては大豆ではなく落花生をまいたり、みかんやお餅をまくところもあるそうですが、そもそもどうして節分の日に豆をまくのでしょうか?

節分を『広辞苑』で調べると、追儺(ついな)という言葉が出てきます。

鬼やらい祭り image by: MyPixelDiaries / Shutterstock.com

追儺とは「鬼やらい」とも呼ばれており、宮中の年中行事のひとつで旧暦の12月30日の夜に鬼に扮装(ふんそう)した者を追い回す儀式です。なんとなく今の節分の豆まきに似ていますよね。

また、飯倉晴武『日本人のしきたり』(青春出版社)によると、豆まきの行事が庶民に定着したのは室町時代で、当時は季節の変わり目に妖怪や悪霊が集まると考えられていました。そこで魔物を追い払うために、

・鬼(物)のに豆を投げつける→魔目(まめ)

・鬼(物)に豆をぶつけてする→魔滅(まめ)

このことから鬼に豆をぶつけて邪気を払うようになりました。

<煎った豆は福豆と呼ばれ、その豆をまき、自分の年齢の数だけ(あるいは年齢の数プラス一個という地域もある)食べることで、邪気を追い払い、病に勝つ力がつくと考えられました>(『日本人のしきたり』より引用)

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「鬼は外、福は内」という掛け声は、災いをもたらす鬼は家の外へ、福をもたらす福の神様は家の中へという、1年の無病息災を願う意味が込められています。鬼を家から追い出すために豆まきを行うのですね。

ただし、中には鬼神のように鬼の神様もいるため、神社や地域によっては「福は内、鬼も内」と掛け声をする場合があるのだとか。

豆まきを説明するときに使える英文

Mamemaki, scattering toasted beans, means a charm against demons. The motion of scattering them also suggests farmers wishing for a good harvest.

訳:豆まきは鬼を追い払う意味があります。また、農家の方が良い収穫を望んでいることを示唆しています。

「ワタナベ」さんは豆まきしなくて良い?

苗字のワタナベさん。実は、全国にいるワタナベさんは豆まきをする必要がないそうですよ。

MAG2NEWSの記事によると、平安時代に渡辺綱(わたなべのつな)という人が悪事を働いていた鬼たちを退治したことから、「ワタナベさんは豆まきしなくて良い」といわれているのです。

豆まきをして鬼を追いはらわなくとも、勝手に鬼が逃げていく最強の苗字なのかもしれませんね。

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