節分のこと説明できる? 外国人にも教えたいニッポンの「豆」知識

どうして力士は大きいの?

国技館通りの力士像 image by: Manuel Ascanio / Shutterstock.com

力士というと、脂肪が体に多く蓄積したふくよかな印象を受けますよね?

元横綱千代の富士関(九重親方)、琴欧洲関のようにそっぷ型と言われるスリムで筋骨隆々の力士もいますし、横綱である白鵬関のようにそっぷ型とまでは言わないでも、バランスの取れた印象の力士もいます。

また、肉付きが良くて比較的丸い体型の力士も目立ちますよね。その手の力士をあんこ型と言うそうです。

横綱白鵬関 image by: J. Henning Buchholz / Shutterstock.com

日本相撲協会の公式ホームページ上に公開されているマンガには、主人公が新弟子検査を経て新序出世を果たし、幕下優勝、十両昇進、新入幕、三役、大関、横綱へと出世していくストーリーが描かれています。その中で、

<白鵬関は、入門したときは70キロもない細い新弟子でした>(『大相撲入門編』より引用)

とあります。

現在の白鵬の体重は日本相撲協会の公式プロフィールによると154kg。2倍以上の体重を新弟子のころから身につけた計算になります。

どうしてこれほどの体重増が必要なのでしょうか?

新田一郎『相撲のひみつ』(朝日出版社)によれば、現代流の相撲のルールが体重増に関係しているようです。

そもそも江戸時代の中ごろまで、相撲には土俵なく、観客に取り囲まれる中で力士が相手を倒すという一点を競った競技だったと言います。意外な話ですよね。

江戸の中期になると競技場である土俵が誕生し、土俵の外に押し出したり寄り切ったりして勝つというルールが生まれました。

image by: Shutterstock.com

また、相撲が土俵を持たない時代は、スタートが今のプロレスに似た感じで立ったまま試合が始まったと言います。

土俵の誕生とともに、開始早々に体当たりして相手を押し出す力士が生まれ、その対策として重心を落として身構えるスタイルへと変化していきます。最終的には、競技開始直後の主導権争いとして仕切りも誕生したのだとか。

仕切り線の誕生は1928年で、今から数えて90年前です。100歳前後の方が幼いころは、この世に仕切り線などなかったのですね。

image by: Shutterstock.com

同じ技術を持った力士がぶつかった場合、体型が大きい方が原則としては有利になるため、体重も勝敗を分ける要因になってきます。そこで、

<ある程度の技術を持った力士が「もう少し強くなる」ために一番簡単なのは、「大きくなること」>(『相撲のひみつ』より引用)

といった考え方が相撲界の常識になっていくのですね。

お相撲さんを説明するときに使える英文

Sumo wrestlers try to add more pounds because being heavier can prevent them from being pushed out of the sumo ring. Being heavier tends to be advantageous for them.

訳:体重がある方がリングから押し出されるのを防ぐことができます。そのため体重が重い方が有利になる傾向にあります。

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