節分のこと説明できる? 外国人にも教えたいニッポンの「豆」知識
ただの飾りじゃない。「しゃちほこ」が屋根の上にいる理由とは?
名古屋城の天守閣木造復元がたびたび話題になっていますよね。名古屋城と言えば金のしゃちほこ。
もちろんしゃちほこは名古屋城以外にも存在していますが、どうして屋根の上にあのような生き物がいるのでしょうか?
『広辞苑』(岩波書店)でしゃちほこを調べると、
<棟飾りの一つ。頭は竜のようで、背に鋭いとげのある海魚の形をなし、大棟の両端につける。城郭建築に多く、鴟尾(しび)の変形をいう>(広辞苑より引用)
とあります。要するに屋根の飾りなのですね。
鴟尾とは聞きなれない言葉ですが、平井聖『屋根の歴史』(東洋経済新報社)によると屋根の最も高い水平部分である大棟の両端に取り付ける装飾だと言います。
一般の歴史ある家屋では、同様の場所に鬼瓦がついているケースも多いですよね。この鴟尾がしゃちほこに発展していったのですね。
屋根は両側の下から順番にふいていくと、自然と頂上の部分にすき間ができます。そのすき間を埋めるために、のしがわらを積み上げた棟が開発され、棟の両端にブーツを逆さにしたような鴟尾を置きました。
この鴟尾が、水を連想させ防火をも意味するしゃちほこに後に取って代わられたという経緯があるのだとか。
しゃちほこを説明するときに使える英文
Shachihoko, a ridge ornament shaped like a fish, can be reminiscent of water and has the meaning of preventing fire.
訳:魚ような形をしたシャチホコは水を連想させ、火事を防ぐ意味があります。
以上、様々な日本の文化に関する素朴な疑問とその回答をご紹介してきましたが、いかがでしたか?意外と当たり前すぎて日本人でも答えられない疑問もあったのではないでしょうか。
今後はさらに外国人観光客の数が増えていくと見込まれています。もしかしたら街ゆく外国人に「これってどうして?」と聞かれることがあるかもしれません。いつ誰に聞かれてもうろたえずに済むようにしておきたいですね。
- 参考
- 飯倉晴武『日本人のしきたり』(青春出版社)
- 平井聖『屋根の歴史』(東洋経済新報社)
- 新田一郎『相撲のひみつ』(朝日出版社)
- 根岸榮隆『鳥居の研究』(第一書房)
- 力士の食と健康及び理想の力士像に関する研究
- 漫画「大相撲入門編」 – 日本相撲協会
- 追儺における呪文の名称と方相氏の役割の変化について
- 追儺図(1巻) – 宮内庁
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