旅先での時間を有効に使い、さっと走って観光する「旅ラン」は、日本各地にある小さな離島を楽しむのにぴったりな手段です。
そこで今回は、“走る”フリーライター・三河賢文さんが、いまもなお語り継がれる『桃太郎伝説』に登場する、あの「鬼ヶ島」を旅ランで巡ってきました。
絵本で読んだ世界観がリアルに広がる不思議な離島
幼い頃に絵本で読むなどして、多くの方が知っているだろう、桃太郎伝説。そこで登場する鬼ヶ島が、実は香川県にあります。
それが、高松港からフェリーで約20分の場所にある「女木島(めぎじま)」です。
今回はそんな女木島を訪れ、ぐるりと島内を旅ランしてきました。天候に恵まれ、島に到着するなりワクワクしてきます。
どんな出会いや発見があるのか、実際に目にした光景をご紹介しましょう。
プチ登山も!雄大な自然に囲まれて走る
離島での旅ランと言えば、やはり自然豊かな道が魅力的。女木島は島をぐるりと回れるよう道路が整備されていますが、その周囲はたくさんの緑があふれていました。
人通りは少なく、風に揺れる葉音が心地よく耳に届きます。
ふと木々の開けた場所を見ると、その先には高松の街並みが。女木島は高松港からもっとも近い離島なので、ビルの姿までクッキリ見えました。
この距離感で非日常を味わえるなんて、旅ラン好きとしては羨ましくなります。
港から2kmほど歩くと、少し細い道を入ったところに灯台もあります。周囲には何もありませんが、見晴らしが良いのでぜひ立ち寄ってみてください。
道路を走っていると、「タカト山」と書かれた看板を発見しました。舗装路のみでも島を1周できるのですが、見つけたからには登ってみたい。道を外れて登山道へ入ってみます。
あまり登る人が多くないのか、足元には草が生い茂っています。しかし各所で階段が設けられ、急坂ではロープが張られているなど、山に慣れていない方でも登りやすくなっていました。
距離は短いですが、なかなか登りごたえのあるキツめの傾斜です。
山の高さは216.3m。山頂からの見晴らしは最高です。ちょっとの寄り道でこの景色が見られるのであれば、登ってみる手はないでしょう。
ちなみに登山後は来た道を戻らなくても、そのまま道路に合流できる下山ルートがあります。
Page: 1 2