日本に訪れる人の数が、増え続けていますよね。2018年は1月~11月で約28,560,100人が訪れました。世界経済フォーラムが発表した『The Travel & Tourism Competitiveness Report 2017』でも、日本の観光業は世界で第4位の競争力を誇ります。
世界で見渡してもその上はスペイン、フランス、ドイツしか存在しません。イギリスやアメリカ、オーストラリア、イタリア、カナダ、スイスなど名だたる観光国を抑えての結果ですから、日本の観光業の成長ぶりが見て取れますよね。
そこで今回は筆者の人脈を通じて、周囲の外国人たち(日本の国内外に在住)に、日本の好きな観光地と苦手な観光地を教えてもらいました。今回話を聞いた人数は区切り良く10人と少数ですが、仕事がら外国人に日本の観光地についての意見を耳にする機会が多いです。そうした評価も総合的に含めて、特徴的だった意見を中心に紹介したいと思います。
「江戸東京博物館」は歴史がわかる素敵な場所!/アメリカ人
日本の中でも東京は、訪日外国人観光客が最も多く訪れる自治体です。日本政府観光局の2017年都道府県別訪問率ランキングによれば、東京都が46.2%で1位、大阪府が38.7%で2位、千葉県が36.0%で3位、京都府が25.9%で4位となっています。
ただ、東京といっても観光地はいろいろ。一体、どういった場所が評価されているのでしょうか。
そのヒントとなるような回答が、日本に在住し、某私立大学に勤務するアメリカ人(40代・男性)から挙がってきました。「My most favorite is the Edo Museum in Tokyo」。江戸東京博物館ですね。正式な英名は「Edo-Tokyo Museum」になります。
その理由として、回答者は歴史が大好きらしく、東京の歴史が分かる素晴らしいミュージアムだと同地を評価してくれました。
歴史好きからすると、京都、奈良、日光、鎌倉などの古都もたまらなく魅力的だと言います。歴史好きのゲストを諸外国から招く場合は、こうした歴史を感じさせるスポットに連れて行くと喜ばれそうですね。
飛騨高山などの田舎町が好き!/アメリカ人・スコットランド人
日本の主要な観光地は、東京と大阪・京都を結ぶ太平洋側で、富士山を含めて「ゴールデンルート」などと呼ばれていますよね。しかし一方で東京や大阪などの信じがたい混雑ぶりが嫌いで、日本の田舎を好むという意見が多くありました。
具体的に名前が挙がった土地は、スコットランド人(50代)から岐阜県の飛騨高山と古川、アメリカ人(40代)から長野県の妻籠宿。確かに岐阜県の飛騨高山は大人気ですよね。富山に住む筆者は取材で富山〜飛騨高山を結ぶJR高山本線に乗る機会も少なくありませんが、ローカル線の座席が欧米人でいっぱいという光景を見かけます。
一方で「人が多くてがっかりした…」という意見も
とはいえ、そのJR高山本線で最近会話をしたドイツ人の年配夫婦によると、「飛騨高山は欧米人だらけで、がっかりした」という意見も聞こえてきました。
例えば金沢のような地方の人気観光地に対しても、「artificialな(人工的な)感じ」と評価する声も、このところ耳にします。同じ日本の田舎や地方都市でも、極度に観光地化され、大挙して外国人が押し寄せるようになった土地には、ネガティブな感情を抱く人も少なくないみたいですね。