何をするにも便利な都会暮らしですが、最近では「地方移住」や「Uターン」という言葉を耳にすることも珍しくなくなってきました。
2018年に総務省が発表した「過疎地域の人口移動に関するデータ分析」によると、都市部から過疎地域への移住者は男女ともに20〜30代の割合が高いという結果に。なかでも鳥取県鳥取市が移住先として注目を集めているようです。
そこで今回は、毎年『田舎暮らしの本』(株式会社宝島社)で発表されている「住みたい田舎ベストランキング 2019年版」をもとに、若者世代やシニア世代から注目を集める都市ランキングをご紹介していきます。
「住みたい田舎ベストランキング」2019年版
「住みたい田舎ベストランキング」は、2013年2月号よりスタートしました。移住定住の推進に積極的な市町村を対象に、移住支援策、医療、子育て、自然環境、就労支援、移住者数などを含む220項目のアンケートを実施。
今回は663の市町村から得た回答をもとに、田舎暮らしの魅力を数値化し、ランキング形式で紹介しています。
この「住みたい田舎ベストランキング」は、都会の便利な暮らしも捨てがたい人と自然が豊かなところで田舎暮らしを楽しみたい人、それぞれのニーズに応えるために人口10万人以上の「大きな町ランキング」と人口10万人未満の「小さな町ランキング」の2つのカテゴリーに分けて作成しています。
さらに今回は、田暮らしに求めるものとしてニーズの高い自然環境の良さや、自然の恵みの享受しやすさ、農林漁業への就業支援などを反映した「自然の恵み部門」が新設。
これまでの「総合部門」や「若者世代部門」、「子育て世代部門」や「シニア世代部門」に加えて、計5部門の1位を選出しました。ではさっそく小さなまちと大きなまちでランキング1位に輝いた町を見ていきましょう!
小さなまち「総合部門」1位:大分県豊後高田市
小さなまちランキングで「総合部門」第1位に選ばれたのは、大分県豊後高田市でした。
大分県豊後高田市は、このランキングで初代「第1位」を獲得しており、その後もベスト3以内のランクインを続け、全国で唯一7年連続ベスト3を達成しています。
豊後高田市は大分県の北東部、国東半島の西側に位置し、東西の距離17.1km、南北の距離23.2km、総面積は206.24平方キロメートルを誇ります。人口は2万2,795人で、1万753世帯と非常に小さな町です(2019年1月末時点)。
東は国東市、南は杵築市と接しており、大分市まで約60km、北九州市まで約90kmで、両市に比較的近い距離にあります。
北は周防灘(すおうなだ)に面し、瀬戸内式気候に属しており、平均気温は15.6度と温暖で過ごしやすい町ですね。
このエリアには、瀬戸内海国立公園や国東半島県立自然公園があり、山間部および海岸部の自然景観や農村集落景観、六郷満山文化ゆかりの史跡など、豊かな自然と歴史文化などの地域資源が豊富な町です。
また、豊後高田市では、「大分県豊後高田市移住者応援プロジェクト」を展開しています。
このプロジェクトでは、市内にある空き家や宅地の有効利用を通して、UJIターンによる定住などの希望者へ空き家や宅地の情報提供するために「空き家バンク事業」を実施。
これは空き家バンクのサイトに登録すると、おすすめの物件、また移住の情報や移住者の体験談を紹介してくれるというものです。
このように豊後高田市は大自然に囲まれた環境の良さに加え、行政の積極的な移住サポート、さらには都会である北九州市に比較的近いというロケーションの良さが第1位に選ばれた理由ではないでしょうか。
続いては、若者世代とシニア世代が住みたい田舎部門の第1位をご紹介していきます。世代を超えて愛される都市はいったいどんな場所なのでしょうか?