太陽が月によって覆い隠されて、地上が暗くなる現象「皆既日食」。まだ太陽が出ている明るい時間なのに暗くなるこの不思議な現象は、なんとも神秘的でめったに体験できるものではありません。
しかし、この皆既日食が、2019年7月2日の夕刻にチリとアルゼンチンで観測できるとのことがわかり、天文ファンの間で密かに話題になっているのです。
またとないこのチャンスに、せっかくなら夏休みを早めに取って、体験してみてはいかがでしょう。今回はこの機会に訪れたい、チリとアルゼンチンの国情と「皆既日食」体験をご紹介します。
目次
南米の細長い自然豊かな国「チリ」
2019年に皆既日食が見られる「チリ」と「アルゼンチン」は、両国とも南米の国です。チリは南米大陸の太平洋側に面した非常に細長い形をした国で、スペインの征服と植民地を経て1818年に独立しました。
周辺のさまざまな島々を領有していますが、なかでも有名なのはモアイ像があるイースター島ではないでしょうか。イースター島は島全体が世界遺産に登録されており、謎の人面の石造彫刻が乱立していることで世界的に有名な島です。
イースター島以外にも、アタカマ砂漠やアンデス山脈などの大自然や、ラパ・ヌイ国立公園、チロエの教会群、バルパライソの海港都市の歴史的街並みといった世界遺産など、多くの観光スポットに恵まれています。
南米の国のなかでも比較的治安の良い国とされ、外務省の情報でも2019年5月時点では危険レベルが設定されている地域はありません。
しかし2019年1月にサンティアゴ市内でテロが行われたこともあり、皆既日食を体験しに初めて訪れるなら、ツアーを利用したほうが無難かもしれません。
南米大陸で2番目に広い国「アルゼンチン」
一方のアルゼンチンは、チリの東隣にある南米大陸であり、ブラジルに次いで2番目に広大な領土を持つ国です。歴史が古く大自然にも恵まれています。
観光名所としては、グアラニーのイエズス会伝道所群、サン・イグナシオ・ミニ、ロス・グラシアレス、イグアス国立公園、バルデス半島、ロス・アレルセス国立公園といった多くの世界遺産があります。
アルゼンチンの先住民はアジア系だったといわれていますが、こちらもスぺインによって征服され、植民地となりました。
1800年代に何度も独立をめぐった戦争があり、それ以降国情は定まらず、また欧米各国の干渉もあり国は乱れました。しかし1880年にブエノスアイレスが正式に首都と決まってからは、内政は安定し始めています。
ただし、その後も現在までクーデターなどが続いており、外務省の情報から見ても一部地域では「十分に注意が必要」とされています。このため、チリと同じく初めて訪れるなら、ツアーを利用したほうがよいでしょう。
2019年7月2日で両国に起こる「皆既日食」のポイントと時間
2019年7月2日で両国に起こる「皆既日食」を観測できる地点と時刻ですが、チリ・アルゼンチンともに以下のようになて血ます。
チリ:海上・ラ・セレナ
- イースター島から北へ約1,200kmの海上/現地時間15:21ごろ
- ラ・セレナ/現地時間16:38ごろ
アルゼンチン:メンドーサ郊外・コルドバ郊外・ブエノスアイレス郊外など
- メンドーサ郊外/現地時間16:39ごろ
- コルドバ郊外/現地時間16:41ごろ
- ブエノスアイレス郊外/現地時間16:42ごろ
現在、この皆既日食に向けて各旅行会社がさまざまなツアーを企画しています。めったに体験できない、貴重な現象である「皆既日食」、この機会に体験してみてはいかがでしょうか。
source:ValuePress!
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