日本三景といえば、天橋立(京都)、松島(宮城)、厳島(広島)ですよね。日本三急流といえば、最上川(山形)、富士川(長野県・山梨県・静岡)、球磨川(熊本)です。日本三名園といえば、後楽園(岡山)、兼六園(石川)、偕楽園(茨城)になります。
では、日本三大仏といえば、どの3座かご存じですか?今回は各地で長く議論されている、日本三大仏について紹介します。
日本三大仏の最後の枠は、3座の大仏が争っている?
日本三大仏といわれて、いくつの大仏が頭に思い浮かびますか?真っ先に思い浮かぶ大仏は、きっと奈良の東大寺にある大仏(盧舎那仏)だと思います。修学旅行では鉄板の目的地ですよね。
ほかには神奈川県鎌倉市の高徳院にある大仏(阿弥陀如来)。こちらも高さ11.39mの大きさ、1252年に鋳造を始めたといわれる金銅の大仏なので、サイズ的にも歴史的にも間違いなく三大仏に入るはずです。
国の重要文化財のうち、特に価値が高い、美しい、および(または)意義深い文化財については、文部科学大臣の指定で国宝という扱いになります。奈良の大仏も、鎌倉の大仏も、もちろん国宝です。しかもこの2座は太平洋戦争の初期、アメリカの美術学者たちによって、日本各地にある最も価値のある古美術品リスト(ウォーナー・リスト)に入れられました。
その影響も一部にあってか、奈良と鎌倉は空襲を受けずにすんだという話もあります(この因果関係については、否定的な見解が多いです)。その意味でも国内外から高く評価されている、疑いのない日本三大仏の内の2座だといえます。
2つが決まればもう1つ、日本三大仏の3座目がどこかという疑問に行き当たります。筆者の限られた知識の範囲でいえば、いま「日本三大仏」の残り1座を自認し、内外に示している場所が3カ所もあります。具体的には、以下の3座です。
- 兵庫大仏
- 岐阜大仏
- 高岡大仏
兵庫大仏は兵庫県神戸市の能福寺にある大仏、岐阜大仏は岐阜県岐阜市にある正方寺の大仏ですね。高岡大仏の高岡については聞きなれない地名かと思いますが、富山県高岡市という場所にある大佛寺の大仏です。一体、どれが本当の日本三大仏なのでしょうか?