ハプスブルク家の支配下にあった時期に帝都となったオーストリアの首都ウィーン。モーツァルトやベートーヴェンなどの有名作曲家たちがこの地で活躍したことから「音楽の都」とも呼ばれる、歴史と華やかさにあふれる美しい街です。
今回はヨーロッパの街歩きがいつもよりもっともっと楽しくなる、ウィーンの隠れた名所を中心にご紹介していきます。
塔に上ってはじめて見える「シュテファン大聖堂」の屋根
ウィーン歴史地区は2001年にユネスコ世界遺産に登録されていて、観光地としても有名ですよね。ウィーンを訪れたことがある方のなかには、旧市街にあるさまざまな教会に目を奪われた方も多いのではないでしょうか。
建物の美しさも楽しみのひとつですが、せっかくウィーンに来たのですから、外観だけではもったいないです。ぜひ建物の中に入ってみて、外観からは想像できない内部をめぐったり、塔に上って屋根を見下ろしたりしてみてください。驚きの光景を目にすることができますよ。
なかでもウィーンのシンボルともいえる「シュテファン大聖堂」は、高低2塔を持つ大きな教会です。
1359年に完成した南塔の高さは136.7m。教会の塔としてはウルム大聖堂、ケルン大聖堂に次いで世界で3番目の高さを誇り、その高さと迫力は圧倒的です。
あまりに大きくて、近くからだと全貌を撮ることができないので、大聖堂前広場の反対側にある建物に背中をくっつけるような態勢でカメラを構える観光客が後を絶ちません。
こちらの大聖堂はハプスブルク家の歴代君主の墓所でもあり、モーツァルトとその妻コンスタンツェ・ウェーバーの結婚式や、後年彼らの葬儀も執り行われた歴史ある大聖堂です。
外観はゴシック様式、正面入口の門はロマネスク様式、祭壇はバロック様式と多様な様式を見ることができるので、ぜひ大聖堂の中に入ってみてください。中に入るだけなら無料です。
シュテファン大聖堂を訪れたなら、有料ですが近くの北塔がおすすめ。5.50ユーロ(約660円)で入ることが可能で北塔からは大聖堂の屋根の美しいタイル模様を間近に見ることができるんです。
地上からだとなかなか見えないハプスブルグ家の紋章を、はっきりと見ることができます。ウィーン旧市街には高い建物が少ないので、遠くまで見渡せて気持ちがよいですよ。