「武陵源」は、中国湖南省張家界市の北西部にある武陵源山脈にあり、大変豊かな自然に囲まれています。石灰岩などの岩石で構成された大地が雨水や地下水などによって侵食されてできたカルスト地形が、独特な景観をつくりだしています。
そのなかでも特に代表的な「武陵源自然風景区」(張家界国家森林公園・天子山自然保護区・索渓峪自然保護区の3つのエリアで構成されている)は、世界遺産にも登録されています。
そして大人気映画「アバター」の舞台ともなった場所で、「ここは地球なのか?」と思うほどの異世界が広がっています。今回は、そんな魅力たっぷりな武陵源の奇形世界をご紹介します。
武陵源に行くには?
日本から武陵源への直行便はありません。観光の拠点となる張家界まで、飛行機、列車、バスのどれかを乗り継ぐことになります。いずれもかなり時間を要し、飛行機のみだと乗り継ぎの悪さから翌日到着となってしまいます。
私は、飛行機で武漢まで行き、武漢から中国新幹線で長沙、長沙から張家界までバスという少し複雑なルートを選択しましたが、無事当日着となりました。張家界から「武陵源自然風景区」(武陵源ゲート)までは、バスで1時間。風景区内は観光専用のシャトルバスで移動します。
張家界国家森林公園
「張家界国家森林公園」は、武陵源自然風景区の西南部に位置し、景区内の核心部です。多くの観光客が最初にここを訪れます。
武陵源ゲートからシャトルバスで百龍エレベーター麓駅まで行き、そこで名所の1つである「百龍エレベーター」に乗ります。エレベーターは326mに及ぶ絶壁に造られたガラス張りのもので、思わず身震いしてしまいます。
百龍エレベーターで昇ったあと、バスに乗るとすぐに「袁家界景区」の「迷魂台」に着きます。展望台から望む奇岩群の眺めは、まるで空から見下ろしているよう。奇岩が立ち並ぶ隙間を縫うように散歩道があるのですが、絶壁に作られた道とあって、こちらもかなりスリリングです。
そして、こちらで絶対に見逃せないのが「天下第一橋」。2つの岩峰の間を幅3m、厚さ5m、長さ50m、高さ400mの岩地が繋げている天然の橋で、まさに息をのむ奇景です。
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