東南アジアの内陸国「ラオス」は、敬虔な仏教国です。数多くの黄金のパゴダ(仏塔)や壮麗な寺院が点在しているラオスですが、首都ビエンチャン郊外には、この世のカオスともいえる不思議な「ブッダパーク」があります。
敷地内には数多くの一風変わったご神仏像が展示されており、まさにラオス屈指のパワースポット。そして奇怪遺産ともいえるでしょう。そんな「ブッダパーク」の奇怪な神仏像の数々をご紹介していきます。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
ラオスにある「ブッダパーク」とは?
ブッダパークの正式名称は「ワット・シェンクアン」といい、宗教家かつ芸術家のブンルア・スリーラット師によって創建されました。
牢獄のような現代社会から精神を解放させる癒しの公園として造られたようで、仏教とヒンドゥー教の教えを学んだスリーラット師の独自の世界が表現されています。
ちなみにブッダパークへのアクセスは、ビエンチャンの大型ショッピングモール「タラート・サオ」近くのバスターミナルからタードゥア行きの14番バスに乗り約1時間ほど。
隣国であるタイからも近いので、国境にある「友好橋」からバスで約25分ほどでアクセスできます。
過去に筆者が訪れたとき、パーク内は全部で66作品もの神仏像が展示されていました。しかし、園内を案内するパンフレットもなく、これらの作品に関する案内も一切ありません。
そのため作品に関する解釈は、観客個々の知識や想像力に任せられているのかも…?作品のほかにも、簡単な売店や食堂、イベント会場がありました。
園内で異彩を放つご神仏像の数々
園内に入ってまず度肝を抜かれるのが、パンプキンツリーです。高さ約3mの建物の入口には不気味な何かが大きく口を開けて観客を出迎えてくれます。
この建物は3階建てとなっており、屋上まで上がることが可能です。各階には独自の世界観を表現した彫像が展示されていますが、内部はとても狭くて足場もあまり良くないので、ほかの観客と接触しないよう十分気を付けてくださいね。
屋上を上がると園内を一望できます。奇怪な神仏像の数々が鎮座する異様な光景…そこはもはや、カオスの世界です。
こちらの作品は四方の仏の顔が見つめ、手を差し伸べているのですが…さらに髑髏(どくろ)が乗っています。その上に仏、その上には悪魔が。
想像ですが、作者は生と死を表現したかったのでしょうか。奇怪な作品ですが、どこか心を惹かれてしまいます…。
こちらは全長40m近くの巨大な寝ブッダ像。頭と全身のバランスが微妙で、かつ横から見たらやたら薄っぺらいのが特徴です。
本来の寝ブッダ像はもう少しふくよかな感じですが、何だか不思議な気持ちで見入ってしまいました。
ヒンドゥー教の世界を思わせる動物を神格化した像です。しかし、人の頭を鷲掴みにし、てっぺんからかぶりついている様は、もはや怪物の様相を呈していました。
女性の像に囲まれて建っているのが、カンボジアのクメール王朝の建築物を彷彿させる塔のミニチュア版でしょうか?こちらも本場物と比べると少し違った印象を受けます。
この作品は、3頭の象の上に乗る4本腕のご神体です。3頭の象はラオスの旧国章にも登場するとても重要な動物で、また仏教の世界でも象は神格化されています。
鑑賞後はメコン川を眺めながら休憩
パークのすぐそばは「メコン川」が流れており、対岸はタイになります。国境のそばなので近いですね。このメコン川に面してコテージがあり、ここで食事や休憩をとることができます。
園内のビューポイントは日陰がなく、時期によっては直射日光を浴び続けながらの鑑賞となるため、大分体力を消耗します。訪れる際は必ず熱中症に気をつけて、暑さ対策をお忘れなく。そして鑑賞後は、メコン川の悠久の流れを静かに眺めながら休憩を摂ることをおすすめします。水分補給も必ず忘れずに行ってくださいね!
このラオスの「ブッダパーク」は、実に摩訶不思議な世界でした。園内は混とんとしたカオスで包まれています。通常のワット(寺院)のようなパワースポットさを少し感じながら、テーマパークのように楽しむこともできます。
筆者個人としては、ラオスの奇怪遺産に認定したい魅力あるスポットだと思いました。ぜひ一度訪れて度肝を抜かれてくださいね。
- image by:Shutterstock.com
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