「あおしま」と聞いて、どんな漢字を思い浮かべますか?おそらく「青島」という漢字を思い浮かべ、ビールでおなじみの中国・青島(チンタオ)や、宮崎市の南部にある海食台「鬼の洗濯板」の奇観で有名な青島を思い浮かべるかもしれませんね。
しかし今回紹介するのは「蒼島(あおしま)」という漢字の福井県の小浜市にある無人島です。
島全体が国の天然記念物に指定され、島の頂上には「蒼島神社」もあるという聖域になります。上陸は基本的に困難で、数年前の台風の影響で参道が壊れているため神社への参拝も難しいですが、カップルで訪れると神社の弁財天が嫉妬して別れさせるともいわれる神秘的な場所です。
それでも対岸の防波堤からわずかに見える鳥居を眺めるだけでも人智を超えた力を感じられるはず。福井旅行で近くを通りかかったときの立ち寄りスポットとして、ぜひともチェックしてみてください。
小浜湾の眺めに独特の味わいを加える蒼島
そもそも福井県の小浜市とは、どこにある自治体かご存じですか?小浜市は福井県西部の若狭湾(日本海の一部)に面したまちで、かつて米大統領にバラック・オバマ氏が就任したとき、同じ「オバマ」という呼び名のため、にわかに注目を受けた過去があります。
大阪在住の友人は美しい海を求めて、夏は小浜を含む若狭湾に出かけると聞きます。それだけ海水の透明度も高い場所。その若狭湾の中でも、カニが両手のはさみを空中に振り上げるような格好で、大島半島と内外海半島が海にいびつな形で突き出しているエリアがあります。
その「両手」の中に囲まれた狭い海域が、小浜湾になります。言い換えれば、日本海の一部に若狭湾があり、若狭湾の一部に小浜湾があるのですね。
小浜湾は海岸線の出入りが激しく、離島や岩礁も多いため、景観に大きな動きがあり、(原子力発電所から張り出される高圧線を除けば)眺めに独特の味わいがあります。まさにその景観を作る離島のひとつ、おわんを裏返したように盛り上がる無人島が、蒼島になります。
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