ちょっとオヤジみたい!?可愛いだけじゃない中国・福州「パンダ7号」

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パンダは愛くるしい。が、福州のパンダは涙を誘う?

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パンダ。泣く子も黙るパンダ。あの白黒のツートンカラーのジャイアントパンダのいるところでは、大人も子どもも笑顔が絶えません。1972年、日中国交正常化の証として、上野動物園に2頭のパンダがやってきたときの大フィーバーぶりを、覚えていらっしゃる方も多いと思います。

初代のカンカンとランランは、来日から7年後と8年後に相次いで天国へと旅立ちましたが、その後も現在にいたるまで、東京の上野動物園だけでなく、和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドや神戸市立王子動物園でも飼育され、絶大な人気を誇っています。

かくいう僕もパンダが好きです。あの白黒の柄といい、立ち居振る舞いといい、竹をかじる格好といい、とにかく愛くるしいですよね。

1984年、人生で初めて見たパンダは中国の広州動物園ででんぐり返っていた image by:あるきすと平田

もちろんそんな愛くるしいパンダといっても、哺乳綱食肉目クマ科に属し、体長120センチから150センチ、体重が100キロ前後もあるデカい動物だけあって、日ごろから親しくつきあっている飼育員でもなければ、鋭い爪でガツンとやられると思うので、別にお友だちになりたいわけではないですが、うーん…やっぱりかわいい。

さてそのジャイアントパンダ、本場中国では「大熊猫」と書いて「ダーシォンマオ」と呼びます。自然界では四川省や陝西省、甘粛省などごく限られた地域にごく少数が生息するのみで、国内40ヶ所に保護区を設けたり、飼育研究センターでの繁殖が成功しています。

2010年、福州熊猫世界で見たパンダは頭を下にして眠っていた image by:あるきすと平田

世界自然保護基金ジャパンの資料」によると、1990年代なかばには、推定1,200頭だった生育数が2010年代前半の調査で、1,964頭と順調に増加しており、2016年国際自然保護連合のレッドリストでは、絶滅危機種カテゴリー(Threatened)内で中位の「絶滅危惧種(Endangered)」から下位の「危急種(Vulnerable)」へ格下げになっています。

格下げという表現は、マイナスのイメージがありますが、この場合は、絶滅するおそれから少し遠ざかったことを意味するので、保護活動が奏功していることを証明しています。

しかし、なぜ四川省や陝西省といった内陸部を歩いていないにもかかわらず、今回なぜパンダを紹介するかというと、僕が歩いている沿海部の福建省福州市にもパンダがいて、ちゃんと見てきたからなのです。

福州中心部で市民の憩いの場でもある西湖のほとりに「福州熊猫世界(パンダワールド)」があります。福州でしばらく骨休めをするつもりだったので、観光地などを調べていて、この施設を知りました。あまり観光に興味のない僕でもパンダには会いたいと思いました。


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