街を歩けば見かける「クラフトビール」の文字。その人気はいまだ衰えず、いわゆる小規模な醸造所がこだわりを持って造り上げるその一杯に魅了され、さらに新たな一杯を求めて日本各地に足を運ぶコアなクラフトビールファンもいます。
2015年頃から続くマイクロブルワリーの急激な増加は、2018年になってさらにその勢いを増し、2019年1月現在で400箇所を超える結果になりました。(AlwaysLoveBeerより)
このように多くの人々を惹きつける、ご当地ビールともいえるクラフトビールは外国人観光客にも人気で、見学可能な地方の醸造所にわざわざ訪れる人もいるのだとか。
最近では居酒屋さんでもクラフトビールを目にすることが増え、今後ますます注目を集めていくだろう日本のクラフトビール。実際に、ビールの本場であるドイツでは、どのように思われているのでしょうか。
そこで今回は、パンやソーセージのオススメでも話を伺った、国内各地に醸造所が約1,200もあるビール大国・ドイツ出身で、日本滞在歴約10年になるホフマンさん(仮名・40代)に、本当に美味しい日本の「クラフトビール(ご当地ビール)」を教えてもらいました。
ビール大国・ドイツのご当地ビール事情
ミズサワ(以下、ミ):つい最近、横浜で開かれていたビールの祭典「オクトーバーフェスト」に行きました!1店舗を見ただけでもすごい種類のビールが並んでいたんですが、ドイツの基本のビールってどういうものなんですか?
ホフマンさん(以下、ホ):ドイツのビールは、大きく分けてふたつあるよ。低い温度で醗酵させた下面発酵ビール、それと高温で醗酵させた上面発酵ビールだね。
下面発酵のなかには、ドイツ全域で愛される「ラガー」、日本の定番ビールに近い「ピルスナー」、ミュンヘンなどで飲まれている「ヘレス」に「ミュンヒナー」とか、地域ごとで愛されているビールがあるよ。
上面発酵だと、バイエルンを代表する「ヴァイスビア」は外せないね。香りが強くクリーミーな味で、日本のビール好きなお店でもよく見かけるよ。あとは、ベルリンあたりではアルコール度が低くて飲みやすい、シロップを入れた「ベルリーナー・ヴァイセ」が人気だね。
ミ:ご当地に1店舗有名なビールブランドがあるというより、エリアごとに愛されるビールがあるんですね。さすがドイツ…!
ホ:そうそう。たとえば、ケルン周辺でしか作れない「ケルシュ」なんていうビールもある。だからドイツ人でも自分の出身エリアのビールが好きすぎて、「あそこのビールは好きじゃない」なんて言い合う人もいるよ。
ミ:そういうホフマンさんは、お好きじゃないビールはあるんですか?
ホ:美味しければなんでもいい!そしてビールはすべて美味しい!