ゆるく繋がる「スナックニューショーイン」に令和の酒場の在り方を感じた

10月のnomoooの特集は「スナック」

オーセンティックなスナックから、最近注目を集めているコミュニティスナックまで、1人で踏み込むには勇気がいるけど、気になるお店を取材します。

今回訪れたのは、令和生まれのスナック「スナックニューショーイン」。クラウドファンディングを経て今年5月にオープン、曜日がわりの店長制で営業するコミュニティスナックです。

今回はオーナーのポール(山本 遼)さんに、新しいスナックの在り方とその楽しみ方を伺いました。


ポール(山本 遼)さん
R65不動産 代表。ぽっくり物件.com「前入居者が最期まで住みたかった部屋集めました。」運営。4つのシェアハウスの大家、スナックニューショーインのオーナーでもある。

ポールさんの原体験がお店の在り方の原点かも

私は、インタビューの最後に聞いたこのエピソードが、スナックニューショーインと地続きなのではないかと思った。

ポールさん

ラオスに行ったときに迷子になって、渡し舟に乗ったらメコン川の中州に辿り着きました。

本当になにもない島だったのですが、夜だし、しょうがないから泊まることにしたんです。やることもないから、ハンモックに揺られてお酒を頼んで。そうしたら、そのお店の店員さんと仲良くなっちゃって。原付に乗せてもらって、唯一ある小学校へ行きました。

そこで、カラオケをして……。わけわからないんですけど、最高に良かったんですよ。

松陰神社前、商店街近くのスナックニューショーイン

路面を走る世田谷線の松陰神社前駅。

駅を横断して伸びる商店街を歩いて5分。住宅のある通りにひっそり「スナックニューショーイン」があります。

この日のママは、日本酒好きの芽理(めり)さん。月2回ほどお店に立っています。

オープン直後から続々と人が集まり、カウンターは満員となりました。お客さんは、主にスナックの常連さんとママさんやチーママさんの知り合い。


ワイワイと盛り上がる話の合間に「久しぶり」「はじめまして」と遠い知り合いがそっと繋がるようなやりとりが聞かれます。

ワイワイ気さくな感じ。何だかここ、スナックらしい緊張感がない。

コミュニティが広がるスナック

まずは珍しいクラフトビール「うちゅうビール」をいただきながらポールさんのお話を聞くことに。

ふくい

ポールさんは不動産やコミュニティに関わる事業をされていますよね。なぜ今、「スナックニューショーイン」をはじめたのでしょう?

ポールさん

単純にスナックをやってみたかったんです。飲食業としてではなく、ママや常連を媒介に広がるコミュニティとして、スナックができたらいいなあって、思いついて。

ふくい

ほう……。

ポールさん

本業でシェアハウスを運営していて、そろそろ新しい形のコミュニティが作りたくなったというのもあります。シェアハウスは住居という特性から、濃く閉鎖的になりやすい。スナックなら、違うコミュニティの広がりがあるのでは、と考えました。

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