押さえておきたい深い歴史。豊臣秀吉ゆかりの京都「高台寺」

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高台寺の見どころ

高台寺の開山堂は、外観は唐様で内部は和様という珍しい意匠を持っています。内部には狩野一派による色彩豊かな障壁画が施されていて、桃山時代の豪華な絵画様式が伝わってきます。

お霊屋はねねの廟所で内部に須弥壇を設け、秀吉と北政所の木像を安置。厨子扉、須弥壇には蒔絵が施され、高台寺蒔絵と呼ばれています。

小堀遠州好みの茶室「傘亭」 image by:Shutterstock.com

このほか勅使門や、伏見城から移築されたと伝わる小堀遠州好みの茶室「傘亭」、「時雨亭」、吉野大夫遺愛の「遺芳庵」、吉野大夫の夫・灰屋紹益(はいやしょうえき)好みの茶室「鬼瓦席(きがせき)」など数多くの建物が東山の鷲ヶ峰の斜面に伽藍を形成しています。

「傘亭」、「時雨亭」は利休が伏見城に建てたものが移築されたと伝えられています。

しかしこの2つの茶室は、小堀遠州が建てたものだと推測されてもいます。彼が伏見奉行をしていたころの奉行所に、ふたつの茶座敷を屋根付きの土間廊下で連結している建物を作っていたことが伝えられているからです。そのため、小堀遠州の作ではないかとも伝えられているのです。

正方形の切石を45度ずらし、飛び石として幾何学的に配置する手法も遠州好みのデザインとして知られています。小堀遠州は、作庭家としても有名ですが、茶人・古田織部の弟子として学び茶道家としても有名です。

今回は、豊臣秀吉の正室だった「ねね」が、亡き夫・秀吉の菩提を弔い建てた高台寺についてご案内しました。

ねねの道を挟んで高台寺のすぐ反対側にある「圓徳院」にもぜひ行ってみてください。そして清水寺、八坂神社をはじめ、建仁寺、知恩院、青蓮院などの徒歩圏内の名所は見逃せません。

また、京都旅行の際は少し足をのばして南禅寺や永観堂などにも立ち寄ってみてくださいね。

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