近年、人気に拍車がかかるベトナムは、日本から近く物価も比較的安くて食事も美味しいのが魅力です。
リゾートもあり、亜熱帯に属するので日本が真冬の寒い時期でも夏が楽しめ、古都フエやホイアンなど景観の美しい街や、海と山両方の自然景勝地も点在。
予算や目的に応じて、さまざまなコースが組めるのも、リピーターが多い理由のひとつでしょう。
そこで今回は、サイゴンの名で親しまれているベトナム南部の大都市、ホーチミンの楽しみ方についてお話したいと思います。
“東洋のパリ”ホーチミンでパリ気分を味わう
19世紀から20世紀にかけてのベトナム、つまりはフランス植民地時代の面影を最も色濃く残す街が「ホーチミン」。
ホーチミンの名称となって44年も経ついまもなお、親愛の意をこめ人々が“サイゴン”の名でこの地を呼ぶのは、そこに染み付いた独特の匂い立つような香りゆえではないでしょうか。
東南アジアとヨーロッパ、一見相容れない二つの異なる文化が、熱帯モンスーン気候のこの地で見事に溶け合い昇華したのがサイゴン。“東洋のパリ”とも呼ばれるこの街には、人々を詩人にしてしまうような不思議な熱が漂っているように思います。
街のいたるところにはフランス統治時代に建てられたコロニアル様式の建築物が点在し、そんな西洋風の街並みを背景にたおやかなアオザイ姿の女性や天秤棒を担いだココナッツ売りが闊歩する風景は、不思議なノスタルジーにあふれます。
街の目抜き通りとなるドンコイ通りには、ノートルダム大聖堂の建築様式を基にローマンゴシックという建築様式を用いた「サイゴン大教会」や、まるでヨーロッパの駅舎を思わせる「サイゴン中央郵便局」、夜にはライトアップが美しい「ホーチミン人民委員会庁舎」などの歴史的コロニアル建築物が集中し、見どころ満載。
その華やかな様子から、ここをパリのシャンゼリゼ通りに例える人も少なくありません。
実はコーヒー生産量世界2位。ぜひとも飲みたいベトナムコーヒー
フランス統治時代、この国にもたらされたのは瀟洒(しょうしゃ)なヨーロッパ建築だけでなく、文化や風習にも及びます。重要なプランテーション産業としてベトナムに導入されたコーヒー栽培ですが、いまやベトナム人はすっかりコーヒー好きの国民となっています。
街を歩けばいたるところにカフェがあり、朝から深夜まで暇さえあればカフェでくつろぐのが彼らの日常。ちなみに、コーヒーといっても甘い練乳と混ぜて飲むのがベトナムスタイル。
甘いコーヒーはちょっと…という人も、ぜひ一度はおためしあれ。年間を通して平均最高気温が30〜35度というホーチミンでは、街を歩けばすぐに汗ばみます。
街歩きで疲れた一休み、アイスで飲む甘いベトナムコーヒーは癖になる美味しさです。一度のその味を知れば滞在中、ベトナム人のように暇さえあればカフェに足を運び、このベトナムコーヒーをオーダーすることになるはずです。
- ・関連記事
- >>>家族として受け継ぐ味。横浜に上陸したハノイ名物エッグコーヒーの物語(2019/07/25)