スイス政府観光局は2020年より、観光とウェルネスを組み合わせた「ヘルス・ツーリズム」を推進させるプロジェクトを立ち上げました。
まずは最初に、スイスを観光で訪れる富裕層の多い中国やロシア、湾岸諸国のリッチなアラブ地域の人々などを対象に、プロモーションをしていく予定だそうです。
スイス国内には豊富な水源と温泉源が各地にあります。スイス国内で発見された源泉は、約250種類にもなるのだとか。
また、スイスには、チューリッヒ近郊にあるバーデンなど、温泉治療の医療専門家などが集まる施設もありますから、「ヘルス・ツーリズム」には適していると、観光局は考えているようです。
そんな隠れ温泉天国のスイスには、豪華なスパや、温泉施設の整ったウェルネス・ホテルも各地にあります。このような施設はいままで、どちらかといえば、悠々自適なご年配のスイス人や、富裕層のスイス人たちで埋まっていました。
しかし、スイスの観光ビジネス自体が伸び悩んでいる今日このごろ、観光客を世界から再び呼び寄せるためには、新たな戦略も必要なのでしょう。
スイスの「プライベート・スパ」が日本人にもおすすめ
スイスでは冬(1月下旬~2月)になると、子どもたちはスポーツ休暇に入り、大人も同じ時期にスキー・ホリデーに入ります。
外は雪が降りしきる真冬のスイスでは、スキーをしない人たちは、ウェルネス休暇を取って、スパでのんびりと命の洗濯をする人もいます。
ラグジュアリーなウェルネス・ホテルでの宿泊は高額なので、わが家の場合、そこで1週間も滞在するなんてことは考えられませんが、日本のような温泉感覚で年に数回、1~2泊滞在することはあります。
今回はブログ本編にはつづっていなかった、あるウェルネス・ホテルのスパについて、ご紹介いたします。
旅したのは数年前の冬。ルツェルンから車で約30分ほど走った標高434mの場所にあるヴェッギス(Weggis)という山にある、「パークホテル・ヴェッギス(Park Hotel Weggis)」です。
フィアヴァルトシュテッターゼー(通称:ルツェルン湖)の湖畔にある「パークホテル・ヴェッギス」は、夏は湖畔に人工砂のビーチが出現し、海の無いスイスで、まるで海辺にいるかのような気分を味わえる場所です。
真冬はそのビーチも雪で覆われ、白銀の世界へと変わります。
「パークホテル・ヴェッギス」の本館にあるホテル客室棟の隣のコテージ棟は、スパエリアとなっており、貸し切りができるプライベート・スパがあります。
コテージ内は複数にわかれた部屋がいくつか並び、すべてがプライベートのスパとなっています。1~2名用スパのなかには、専用サウナ、温泉気分を味わえるソルトバス、寝転んでくつろげ、腰かけて瞑想できそうなリラクゼーションエリアと、マッサージ台があり、完全個室です。
スイスの公共サウナでは全裸で男女混合の場所が多いのですが、こちらのプライベート・スパ内は水着着用です。
したがい、サウナのなかでも水着着用で利用しましたが、人によっては、裸で入る人もいるのかもしれません。貸し切り状態のプライベート空間なので!
個室を出ると、外には共用の温水プールもあります。
室内の温度は水着の上からバスローブを着てちょうど良いくらいの暖かさです。リラックス効果を高めるBGMも流れており、好きなチャンネルに合わせて、ハーブティーを飲みながらくつろぎの時間。その後は、カップルやお友だち同士、または一人でも!全身マッサージを受けながら、癒しタイムは続きます。
もちろん個室にはシャワーとタオルも完備です。数時間、スパでリラックスしたあとは、シャワーを浴びてホテルの部屋に戻ると、今度は窓からルツェルン湖を見渡せる部屋のバスルームで、ジャクジータイム。
続いてそのあとは、カクテルタイム、そして、ディナーへ。
毎週訪れると飽きてしまいそうな気はしますが、ときどき訪れるには最高に癒される場所です。
この場所は温泉ではなく、いわゆるウェルネス・ホテルなのですが、場所によっては温泉に併設されているホテルもあり、一層リラックスできます。
ただし、そのような場所での温泉プールは、温度が低いからといって、浸かり過ぎは禁物。
見かけはプールでも、効能は温泉なので、湯あたりしてしまうこともしばしば。あくまでも湯治として利用する人もいるくらいですから、注意は必要です。
ご紹介しましたスパは、個室で利用できるので安心。水着着用不可、タオル使用も不可の裸で入る男女混浴のサウナにはどうしても馴染めず、そして怖く(苦笑)、スイスでの生活15年たったいまでも、私は公共サウナはいまだに未体験です。
「パークホテル・ヴェッギス」の個室スパは、恥ずかしがり屋の日本人はもとより、海外からウェルネス旅目的で訪れる旅行客にも人気の場所となりそうな、プライベートな空間ですよ。
- image by:Apfel
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