文化が見える「トイレ事情」、訪日ムスリム旅行者はどうしてる?

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文化が違うからこそ大切なトイレ環境

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「訪日中使用した公共トイレのなかで、今後好んで使いたいトイレはどこですか?」という質問では、訪日ムスリム旅行者が訪日中に使ったことのある公共トイレの内1位が「宿泊施設」(53%)で、2位は「空港、鉄道駅、バスターミナル」などの公共交通機関(24%)でした。

一方で「今後二度と使いたくないトイレ」の1位にも公共交通機関(35%)がランクインしており、2位は公園(15%)となっています。

駅ひとつとってみても老朽化した駅舎のトイレからパウダールームがあるトイレまでさまざま。そのためか公共交通機関については「今後好んで使いたいトイレ」「今後二度と使いたくないトイレ」の意見が二極化する結果となりました。

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「Q4でそれぞれ『今後好んで使いたい公共トイレ』と『今後二度と使いたくない公共トイレ』を選んだ理由は?」という質問では、好まれる理由としては「清潔が保たれているから(67%)」「たいてい温水洗浄便座付洋式トイレがあるから(43%)」が挙げられました。

また使いたくない理由としては「清潔が保たれていないから(41%)」「温水洗浄便座がなかったから(29%)」が挙げられました。

“清潔性”と“温水洗浄便座付き洋式トイレの有無”が「今後好んで使いたい公共トイレ」と「今後二度と使いたくない公共トイレ」、両方の共通の理由となっていることがわかります。

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「公共トイレでの排泄後は洗面台で手を洗いますか?」という質問では、「絶対洗う(99%)」「ときどき洗う(1%)」「洗わない(0%)」と、訪日ムスリム旅行者は公共トイレでの排泄後、99%が手洗いを必ず行っていることがわかりました。

日本人はトイレ後の手洗いで手を洗わない人が15.4%いるという調査もあることから、本調査ではほぼ全員が手洗いを行っていることを踏まえると、ムスリムの手洗いニーズの高さがうかがえます。

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「公共トイレの洗面台で手を洗うときに石けんを使いますか?」という質問では、「必ず使う」(89%)「ときどき使う」(11%)という結果に。「日本には手洗いの水栓や石けんは自動式のものがあります。あなたが使いたいのはどちらですか?」という質問でも「自動式のタイプを好む」(63%)人が多いことがわかりました。

公共トイレの洗面台に、自動水栓やソープディスペンサーを望んでいる訪日ムスリム旅行者の割合は比較的高いといえます。「日本のトイレで困っていることを教えてください」という質問では、以下のようなコメントが寄せられています。

  • 「すべてのトイレに温水洗浄便座がほしい」 (インドネシア・女性)
  • 「温水洗浄便座がないトイレがあり困る」 (マレーシア・女性)
  • 「冷たい水が嫌。すべてのトイレに温水洗浄便座がついてるわけではない」(シンガポール・女性)
  • 「温水洗浄便座がほしい」(マレーシア・女性/インドネシア・女性)
  • 「滞在二日目だが用を足すのにいちいちホテルに戻っている。水を使ってしっかりと洗いたいのに、その施設が見つからない」(クウェート・女性)
  • 「お尻を洗うお水がトイレ内にあると良い。洗面台まで何回か汲みに行かないとならない」(インドネシア・女性)
  • 「ハンドシャワーがあったら便利だと思った」(インドネシア・女性)
  • 「和式トイレが嫌だ」(ブルネイ・女性)

その文化や習慣から、温水洗浄便座が必須であることがうかがえますね。

訪日ムスリム旅行者のトイレ利用実態を探り、日本ではまだ広く知られていないムスリムのトイレ習慣が明らかになりました。今後、トイレの環境整備は訪日外国人を受け入れる上での課題のひとつだといえそうです。

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