沖縄県・八重山諸島にある「竹富島」は、石垣島の南西約6km、船でたったの15分ほどの距離にある、周囲約9kmの平べったい島です。
「八重山郡竹富町」の町名が示す通り、その昔は石垣島以西では中心地だったのですが、現在ではその面影もなく、ひっそりと往年のまま時が止まったかのような光景が広がっています。
琉球赤瓦の赤い屋根、サンゴを積んだだけの石垣(グック)、サンゴの白砂で作られた道など、八重山らしさを満喫できる魅力があります。今回は、八重山の原風景が残る竹富島の魅力をご紹介していきます。
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「竹富島憲章」によって守られる竹富島
1972年の本土復帰のころから、八重山諸島では土地の買い占めが横行し、竹富島もその例に漏れず島外者に土地が買われていきました。
島の自然と文化が変わっていくだけでなく、崩壊してしまうのではないかと危機感を持った島民が立ち上がり、「売らない」「汚さない」「乱さない」「壊さない」という4原則を持つ「竹富島憲章」が1986年に制定。現在でも美しい原風景が守られています。
交通手段は徒歩と自転車!水牛車でめぐる竹富島
新しいものを造らないということは、古い建物をそのまま利用する、もしくは修復するということになります。そのためか修復が追いついていないようで、どことなくひなびた印象をもちますが、それも竹富島ならではの魅力。
「観光ポスターで見た!」という人も多いと思いますが、絵になる白砂道に昔ながらの木製の電信柱が並んでいます。
サンゴを積み上げたゴツゴツとした石垣には、ブーゲンビリアや多肉植物のブリオフィルム、庭には島バナナなどが咲き乱れていてまさに南国です。
そして平屋建て木造の家の赤瓦の屋根には、それぞれシーサーが家を守っていて、平成どころか昭和からときが止まった感じの風景です。そんな街を、水牛車でゆっくりと散策してみるとさまざまな発見があります。
ひっそりとした家々もありますが、ガイドさんによると200戸弱の家に空き家は無いそう。もし空き家がでても、借りるのは難しくて、島内に親戚がいないと移住も無理だとか。住民になるのにはハードルが高そうです。
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