昔、筆者がネパールを現地の人と東西に横断しているとき、森深い一本道の途中で小用を済ます場面がありました。
同行メンバーは全員男性だったので一列に並んで用を済ませましたが、その直後に1人のネパール人がニヤニヤしながら、「We are minus friends.(われわれは、マイナス友だちだ)」といってきました。
どういう意味かと聞くと、尿が減る(マイナスになる)ため、用を足す行為を「マイナス」というのだと教えてくれたのです。それからの道中は「Minus?(マイナスしたい?)」と、むやみやたらに聞き合う冗談がグループ内で流行しました。
この手の排せつ物に関する表現は、本当に多彩ですよね。日本語で考えるだけでも、さまざまな言い方があります。また外国語のなかには「まるで日本語に聞こえるけど実はうんちという意味」なんてことも少なくありません。
そこで今回は、世界の言語別使用人口のトップ5の言語、中国語・英語・ヒンディー語・スペイン語・ロシア語での面白い「うんち」の言い方をご紹介していきます。日本語でついいってしまって現地の人に驚かれるような単語もなかにはあるので、知っておくと現地で恥ずかしい場面が減るかもしれませんよ。
おばあちゃんの呼び方「ばーば」は、中国語でうんち?
最初は世界で最も使用する人の多い中国語から。中国語にも、さまざまなニュアンスの表現があるようです。「うんち」に近い語感の言葉といえば、
になるそう。ローマ字風に読むと「バーバ」です。日本でも小さい子どもがよく祖母のことを「ばーば」と呼んでいますよね。
中国語の場合、最初のaの上には「∨」という、言葉のイントネーション(抑揚)が付きます。
この場合は、「あーあ(↓↑)」とため息をつく感じに近くなりますので、その抑揚で「バーバ」といってみてください。中国語では「大便」といった意味になります。
ただ、この漢字は日本人にちょっとなじみの薄い字面です。見た目からしても、日本人に分かりやすい言い方は、
「大便」(dabian)
になります。一目で意味が分かりますよね。日本語とは少し読み方が違って、「ダイビアン」。
この場合のイントネーションは右肩下がり、カラスが「カー」と鳴くような感じで、「ダイ(↓)ビアン(↓)」といってみてください。文字通り、大便という意味になります。どのような例文で使うのかといえば、
「大便(dabian)不通(butong)」
で、「うんちが出ない=便秘」という意味になります。発音は、「ダイ(↓)ビアン(↓)ブー(↓)トン」ですね。最後の「トン」は語尾を上げも下げもせず、そのまま声を出すイメージです。
それにしても、中国語と日本語はこのように同じ漢字を使っているため、仮に発音が違っていても、筆談できる文化的なバックボーンを共有していると分かります。
一般的に「外国語が苦手」といわれる日本人ですが、何かしらの外国語をどうしても習得したい場合は、とっかかりがある中国語を選択肢に入れてみるといいかもしれませんね。