「八坂神社」は京都で必ず行くという場所ではないかもしれませんが、訪れたことがあるかたも多い場所じゃないでしょうか?
僕は祇園祭が大好きなこともあるので、京都に行くとまず八坂神社にお参りにいきます。今回は、京都の最も華やかな祇園のシンボルである八坂神社についてをご案内します。
「八坂神社」にはどんな歴史が?
八坂神社は、全国にある八坂神社や素戔嗚尊(すさのおのみこと)を祀る約2,300の神社の総本社です。古くから京都の「東」を守る「青龍」が宿る地ともいわれています。
京都盆地の東の端、へりの部分が八坂神社の石段下からはじまります。毎年7月に行われる祇園祭は八坂神社の例祭で、そのことから八坂神社は地元の人からは「祇園さん」と呼ばれています。
社伝によれば、656(斉明天皇2)年、高句麗から来日した調進副使・伊利之使主(いりしおみ)の創建とされています。八坂神社の主祭神として祀られている牛頭天王は、釈迦の生誕地にちなむ祇園精舎の守護神とされています。名前は新羅の牛頭山に由来するのだと伝わります。
境内
南座のある祇園四条の交差点を背にして祇園商店街を東に進むと、突き当たりが祇園石段下です。石段を上がり、西楼門をくぐると門の左側に手水舎があります。西楼門を入って正面にあるのは「疫(えき)神社」です。疫病除けのお社です。
ここに祀られているのは蘇民将来(そみんしょうらい)です。牛頭天王(ごずてんのう=素戔嗚尊)から疫病を免れる茅の輪を授けられたという伝承があります。蘇民将来に縁のあるものは、疫病にかからないとされています。祇園祭では粽に疫病退散を願って、「蘇民将来之子孫也」と書かれた札がつけられています。
疫神社から右側に参道を進むと、太田社、蛭子社、大国主社、社務所の前を通り本殿前に出ます。本殿と拝殿が同じ屋根で覆われている八坂神社特有の祇園造の本殿に祀られているのは、素戔嗚尊、櫛稲田姫命(くしいなだひめのみこと)と、八柱御子神(やはしらのみこがみ)の三柱の御祭神です。現在の建物は、1654年に江戸幕府の4代将軍・徳川家綱が再建したものです。
八坂神社にはたくさんの不思議な伝説が伝わっていますが、本殿もそのひとつで、この下には大きな池があり、神泉苑や東寺まで続いているといわれています。またその池は青龍が棲む「龍穴」になっていて、古くから都を守ってきたともいわれてきました。
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