年々増え続ける日本全国の空き家。修理すればまだ使える空き家も何もしなければただ朽ち果てるだけ…そんな場所を活用する時のアイデアの一つとして、まず歴史を遡ってみてはいかがでしょうか? 土地の歴史を振り返ることで空き家を人が集う場へ変えた事例を、メディア都市のあり方や地域コミュニティ、
「糸」が結ぶまちとひとーー2軒の空き家を改修して生まれた文化交流スペースitonowaが京都・島原に再び活気を!
もし、あなたの隣のおうちが、何年も空き家になっていたらどう思いますか?
近年、増え続ける空き家。総務省の調べによると、その軒数は2013年時点で過去最高となる820万軒にのぼると言われています。空き家を活用して地域活性化に繋げられたら良いのにな、そんな想いを抱かれる方は多いのではないでしょうか。
今回ご紹介したいのは、まさにその想いを実現している「糸でつながる33mのマーケットitonowa(イトノワ)」です。お話を聞かせていただいたのは代表の村田 敬太郎(むらた けいたろう)さん。高齢化が進行して空き家が増す地域に、かつての活気を取り戻そうと新たな文化交流の場を生み出し、だんだんと賑わいを呼び戻しています。
今回は、itonowaに携わるひとたちが実体験を持って示している、コンセプトづくり・資金調達・地域との関わり方、この3点に関する大切にしたいポイントをお伝えできればと思います。
はじめに、33mのマーケットitonowaとは?
京都市内にある島原という地域で2015年10月にオープンした、文化交流スペースitonowa。背中合わせの2軒の空き家を改修して、一室ずつ「糸」をコンセプトにしたショップを迎えた、奥行き33mのマーケットです。
2つの縁側が向き合う広々とした中庭には、多肉植物がずらりと並んで緑を添えています。玄関口にはコーヒースタンドがあり、誰もがふらりと立ち寄って小上がりのスペースに腰をかけてゆったりと過ごすごとができます。
現在ショップは5部屋に入っており、アンティーク着物などを扱った古道具・アートデコレーションのショップ、子供着物、古布を活かした骨董ギャラリー、糸を使ったアート雑貨、ヴィンテージウエディングドレスなど、どれも「糸」に関わる個性豊かな顔ぶれです。