日常生活の会話のなかでは、当たり前のようにことわざやオノマトペなど、さまざまな表現方法が使われています。
たとえば、晴れているのに雨が降る天気雨のことを「狐の嫁入り」というように、その一言で意味が伝わる一般常識のような言い回しがありますよね。
しかし、海外諸国のなかには天気雨のことを「狐の嫁入り」ではなく、「ゴリラの結婚式」のように、日本語で同じような意味でも異なる表現をしている国も少なくありません。
そこで今回は、日本では当たり前のように広く知られているけど、世界では全く異なる一般常識についてご紹介していきます。
新型コロナウイルス感染症の拡大でなかなか海外に出かけられない時期だからこそ、アフターコロナで世界を旅したときのために、見聞を広げてみてくださいね。
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「ごまをする」は世界で何という?
最初は「物」の例えから。日本では「ごまをする」という比喩(ひゆ)があります。意味はご存じの通り、
<他人におもねりへつらって、自分の利益を計る>(岩波書店『広辞苑』より引用)
といった言葉になります。この「ごまをする」という言葉はどうして他人におもねり、へつらう意味になったのでしょうか?
須藤健一監修『それ日本と逆? 文化の違い習慣の違い 第2期(2)ペラペラ ことばとものの名前』(学研プラス)によれば、すり鉢をつかってすりつぶしたゴマは、どこにでもベタベタと付着しやすくなります。
そのベタベタしている様子が、人にへつらう感じに似ているところから、ごまをするという表現になったと考えられるのだとか。
この日本の「ごまをする」という表現、世界では異なる言い回しが使われています。
リンゴを磨く/アメリカ
アメリカの表現については、体にいいといわれるリンゴを奇麗に磨いて手渡す行為が、相手の健康を気づかう=下手に出るといった雰囲気になるそう。
イエスマン/イギリス
イエスマンはそのままですね。なんでも「イエス」で返すことが、へつらう姿として表現されています。
靴を磨く/フランス
自転車に乗る/ドイツ
靴磨きにしても、自転車を急いでこぐ動作にしても、する人の頭が下がった姿勢になります。
その見た目が、相手にへつらっている、服従しているように見えるため、フランスやドイツでは上のような表現になるみたいですね。
馬の尻をたたく/中国
中国の馬の尻をたたく動作は、農作業で馬を使っていた時期の名残だとか。
「いい馬ですね」と、相手の所有物である馬の尻をなでるようにたたく動作が、日本の「ごまをする」という意味合いに転じたみたいですよ。