料理や洗濯など、人々の生活には欠かせない「水」ですが、国によって水道水の硬度は異なり、硬水・軟水があるのはご存じでしょうか?
日本の水道水はカルシウムやマグネシウムの濃度が低い「軟水」で、日本人にはこの軟水の方が合うといわれています。しかし「硬水」の国のひとつであるスイスでは、日常生活をおくる際にちょっぴり苦労も…。
硬水のスイスでは、どんな影響がある?
日本にいるころは、水について何も考えていなかった私。そもそも水を飲むことなんてそんなに無かったですし、お湯を沸かすとしても水道水から。どっちみち、ペットボトルのお茶類を買って飲んでいたので、水に対して特別に考えることもありませんでした。
水について別段不便を感じなかったスイスに来たばかりのころ。イメージ的に「スイスの水」というと、アルプスから流れる綺麗なイメージすら持っていました。
スイスも日本のように水道水が飲めますし、日本と変わらないウォーターライフを送れると思ったんですが…。
スイスに来て少し経ったころでしょうか。頭皮からポロポロとフケが。ビックリして毎日しっかりと洗うようにすると、さらに酷くなったのです。しかも、足の皮膚も乾燥してポロポロ…。
このことを語学学校の日本人に相談すると、「スイスの水は硬水だからね。毎日頭を洗わない方がいいよ」というアドバイス。
水質の問題だったんです。日本は軟水ですがスイスは硬水ということで、水のなかには石灰成分(カルキ)が多く含まれます。それではどれぐらい硬いのか。
これは水道水の硬度を示した地図です。ポイントの色の濃さで硬度を示していますが、スイスでは水は6つの硬度レベルに分類され、フランスの硬度(fH)で示されます。(※正しい表記は「f」の前にマル印がつく)
- 0-7 sehr weich(非常に柔らかい水)
- 7-15 weich(軟水)
- 15-25 mittelhart(中硬水)
- 25-32 ziemlich hart(かなり硬水)
- 32-42 hart(硬水)
- 42超 sehr hart (非常に硬い水)
私たちが住むエリアは「かなり硬水」(地図上ではないです)。その周りのエリアも「かなり硬水」「硬水」というレベル。それでは、硬水であると生活のなかでどういうことが起こるのでしょう。
シャワーや入浴、肌のお手入れ
日本で髪を洗うとスルっと柔らかく仕上がりますが、スイスで髪を洗うとバサバサとした固い感じに。そのためスイスにいるときは、夏や汗をかいたとき以外はシャンプーを1日おきにすることに。最初は慣れませんでしたが、いまは平気です。空気が乾燥しているので、不快な感覚はありません。
シャワーヘッドの穴もカルキで目詰まりしてくるので、定期的にお手入れが必要。
主にスイスの女性は、洗顔後に顔に残った硬水を取り除くために拭き取り化粧水を使用するかたも多いとのこと。なぜか日本のようなメイク落としがないので、みなさん、この拭き取り化粧水で化粧も拭い去っているという噂です。
私が使っているプチプラ拭き取り化粧水。私は洗顔後にこの拭き取り化粧水で拭き取って、そこから普通の化粧水(日本から持ってきたもの)で手入れをしていきますが、やっぱり硬水のせいか、はたまた空気の乾燥のせいか、同じ年代の日本に住んでいる女性よりもシワが目立ちます。
水道の蛇口
毎日、硬水を出す水道の蛇口。お手入れを怠ると、蛇口にはカルキでカチカチに固まって水の出が悪くなるんです。私もダンナ様もお掃除が好きではないので、蛇口はカルキでカチカチに。
いつも蛇口は下を向いて見えないので、ついついお手入れを怠ってしまうんですよね…。
これは普通に洗っても落ちないので、こちらのカルキを溶かす薬品に浸して落とします。
湯沸かしポット
水道水を入れて沸かすと、ポットの中の底はカルキで白くなるんです。そのため、わが家ではBRITA(浄水ポット)でお水をろ過してから湯沸かしポットにIN。
これでかなりカルキを抑えることができますが、それでも…。
このカルキにも水道の蛇口に使う薬を使って落とすこともできますが、私はお酢を入れて沸騰させて放置。するとカルキは落ちるんです。
カルキにはお酢やレモンが効くようです。…ただし、上の写真の蛇口のようにこびりつきすぎた強烈なカルキは落ちませんが。
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