えいたそ、ありがとう。引きこもりだった私が「でんぱ組.inc」に出会って全国制覇までした話

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推しは、推せるときに推せ

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気づいた時にはすでに「推し」ていた。ここからわたしのドルオタとしての人生が始まったのだ。

いままで家族と旅行に行ったこともなければ、友だちと遠征したこともない。県外への外出なんて、小学生の遠足以来だ。

そんな自分が、誰かに会いに外に出る。

推しは推せるときに推せ」とはよくいったもので、今後いつ推しに会えなくなるかわからない。会えなくなってはじめて気付くような想い出なんて、後悔しかないはずだ。

都内のイベントはもちろんのこと、宮城の「仙台PIT」に大阪の「Zepp Osaka bayside」…行ける場所ならどこでも行った。時には始発から予約整理券の列に並び、またある時は極寒のなか凍えながら数時間グッズの列を成すこともあった。

推しの生誕祭でファン同士交流したり、えいたそを囲んでみんなでカラオケをする一大イベントにも参加した。誰かと一緒に過ごすのって意外と楽しいものなのかもと思った。

那覇のライブハウス「桜坂セントラル」からの帰り道、美しいビーチを眺めながら、「えいちゃんに出会わなかったら海にくることなんてありえなかったな」とつぶやいていた。

自分の世界しか知らなかった私は、きっとどこかで「このままではだめだ」とわかっていたに違いない。世間を知らず、ただ大人になっていく自分に自信がなかったのだ。そんな自分が一生無縁だと思っていた海にきているなんて。

こんなこじらせエピソードを話しても、えいたそならきっと否定せずに話を聞いてくれるはず。家族でも友だちでもない、「アイドル」と「ファン」の距離だからこそ、自然と前に進むこともあるのだろう。

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「なぜそんなにえいたそを推すのか」と聞かれても、はっきりした根拠は答えられないかもしれない。かわいいから?優しいから?そんな軽い気持ちではない。明確にいえるのは「彼女を応援したいから」ということ。

暖かい光で導いてくれる彼女は、自分にとっての「太陽」であり「偶像」だ。

どんなときも努めて明るく振舞う彼女も、実はなにか重いものを背負っているかもしれない。

ただ、えいたそがある曲のなかで「愛し愛される 人の覚悟!」という歌割りが当てられていることに妙に納得できたように、覚悟を持って真剣にアイドルをやっているからこそ、自然と応援したくなるんだと思う。

精力的に外に出る日が続くと、だんだん他人に対する苦手意識も薄れてきた。

視野が広がって心に余裕が生まれたのか、周りからは「闇が抜けたね」なんて冗談をいわれるほど、人間関係もこなせるようになった。

実は、このコラムを執筆している最中、えいたその卒業が決まった。

ほんとに偶然のタイミングに動揺したが、でんぱ組加入前から夢見ていた「アニソンシンガー」を本格的に目指したいとのことで、それはとてもうれしい報告だった。

オンラインライブでの卒業発表に、ソロになる喜びと寂しさで涙が止まらなくなってしまったが、やはり今こそ「推しは推せるときに推せ」だ。

人生は百年登り坂。今後の活躍を期待すべく、まさに今が全力の推しどきなのである。

わたしの世界を広げてくれたのは、確実に「推し」の存在だ。

「推し」がいる人生は素晴らしい。「推し」の幸せがわたしの幸せ。「推し」よ、生まれてきてくれてありがとう…。では、ラスト1曲いっくぞー!

タイガー!ファイヤー!サイバー!ファイバー!ダイバー!バイバー!ジャージャー!

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