始まりのきっかけは温泉?石川県の伝統工芸品、美しき「山中漆器」とは

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日本海や山々が大自然の美しさを競う石川県。海と山の幸に恵まれた美食から、数々の歴史的な絶景スポット、日本屈指の温泉郷など、国内旅行先としての人気が年々上がっていますが、焼き物の里としても注目すべき場所でもあります。

安土桃山時代に生まれ、日本でも有数の名器である「山中漆器」。現在にいたるまで脈々と伝統が受け継がれ、技術とともに発展・進化を遂げています。

石川県へ訪れたら必ず見ておきたい山中漆器について、その魅力と歴史、周辺のオススメスポットや名店たちをご紹介します。

※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。

戦国の世から今へと伝わる伝承。進化し受け継がれる山中漆器の世界

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日本が波乱に満ちていた16世紀の後半、安土桃山時代。職人たちはより良い材料を求めて石川県へと辿り着き、温泉の湧く山中温泉を中心に定住、再びろくろを回し始めたのが、山中漆器のはじまりといわれています。

江戸時代には山中温泉へと訪れる湯治の客に向け、お土産の品として一層の発展を遂げた山中漆器。江戸中期になると京都や会津若松からも技術が伝わり、県内には「木地の山中」「塗りの輪島」「蒔絵の金沢」と、3つの産地が生まれました。

現在でも異業種・異分野の技術を積極的に導入し、伝統工芸の技術とともに進化を続け、魅力あふれる器の数々が生まれ続けています。

山中温泉

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山中漆器の聖地といえば絶対に外せないのが、「始まりの地」である山中温泉です。さかのぼること1300年前、奈良時代に発見されたといわれる山中温泉は、かの松尾芭蕉にも愛され、有馬温泉や草津温泉とともに「扶桑の三名湯」と絶賛された、日本屈指の名湯です。

鶴仙渓

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山中温泉からは、ほど近くに絶景の渓谷「鶴仙渓」があり、温泉とともに堪能できる壮麗な渓谷美は「北陸随一」と名高い観光名所です。

この地へと移動してきた職人たちが魅了され、定住する気持ちがわかる自然と温泉の恩恵は健在、いまもしっかりと受け継がれています。


そんな山中漆器は、伝統とともに日本でも指折りの進化を遂げる器のひとつ。新ブランドが誕生しているのも見逃せない点で、食器好きのかたにはたまらない魅力あふれる逸品が続々と誕生しています。

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