「サンタ、なんであっこの電気屋で買ってるん?」小学生と母親の攻防戦

結局、サンタさんっているのかもしれない

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翌年も、その次の年も、母との攻防は続きました。しかし「サンタさんはいない」とも「サンタさんはいる」とも結論づけられず、12月25日の朝起きたらプレゼントは枕元にあるのです。

ちなみにあの猛追事件以来、プレゼントは包装紙には包まれておらず、裸のまま置かれていました。

そして気付けば、もう、来年は小学5年生です。

さすがに私も成長したし、母も限界だと感じたのでしょう。それに、母も私自身も“サンタクロース”という夢は壊したくなかったのだと思います。

小学5年生のクリスマス前、母からある提案がありました。

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「『もうすぐ私は6年生なって小学生を卒業するので、プレゼントは今年で最後で大丈夫です。いままでありがとう』ってサンタさんに手紙を書いたらどう?」って。

サンタクロース卒業”の提案です。

いま思うと、すごく素敵な発想ですよね。だから私は、サンタさんに精一杯の「ありがとう」の手紙を書きました。確か、英語でも書いた記憶があります。サンタさんはフィンランド人のはずなので。

そして、お礼の気持ちを込めて、クッキーを焼いて手紙と一緒に枕元に置いて眠りました。25日の朝、もうプレゼントは置いていなくて、私はきちんと“サンタクロース卒業”ができました。

思い返すと、きょうまでに一度も母の口から「サンタクロースはいない」といわれたことはありません。

だから大人になったいまでも、心のどこかでは、サンタさんは本当にいたんじゃないのかなと思っているのです。

だって、否定する根拠が一つもないのだから。

サンタクロースいるいない論争は、いまもまだ、私の中では小さく巻き起こっています。

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