新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2021年の「成人式」の開催を断念する自治体が増えつつあります。
しかし、一生に一度の機会を失くしてしまうのはさみしいもの。今年は呉服店や貸衣装、フォトスタジオなどの各企業がこぞって「写真で残す成人式」や「ファッションショー」といった、いまの時代ならではのイベントを提案しています。
例えば、成人写真・振袖レンタルを取り扱うフォトスタジオ「aimme(エイミー)」からは、記念写真の枠を超えて、空間を共有する映像サービスが登場。withコロナ時代の成人記念をおしゃれな映像作品に仕上げてくれるそうです。
国民の祝日である「成人の日」ですが、実は日本のように国を上げて盛大に祝うのは世界でもめずらしい文化。海外でも成年年齢(成人年齢)の定義はありますが、式典などは開催されずに家族や友だち同士で祝うのが一般的なんだとか。
世界の成人年齢は?みんな「成人の日」に何をする?
世界各国で指標が異なる成人年齢。法務省が調査した「諸外国における成年年齢等の調査結果」(PDF)によると、多くの国において16歳〜21歳で成人と認められるようです。
- 16歳:ネパール
- 18歳:アメリカ合衆国※、イギリス、イタリア、インド、オーストラリア、スイス、ドイツ、フランス 、中国
- 20歳:日本、韓国、モロッコ、タイ 、ニュージーランド
- 21歳:アルゼンチン、インドネシア、シンガポール
- ※州によって19歳や21歳の地域も有り。
調査結果に記載はありませんが、最小年齢はプエルトリコの14歳。日本でいうと中学生の年代ですが、大人として分類されるため、飲酒や喫煙をはじめ選挙権や車の運転、結婚もしっかりと認められているそうです。
世界各国、成人年齢も違えば過ごし方も違います。そこで今回は、日本で暮らす複数人の外国人にインタビューを実施。
その国ならではの風習から、初体験での失敗談まで、さまざまな「大人になった日」の思い出をたくさん語っていただきました。まずは、母国ならではの「成人のお祝い」について聞いていきましょう。
2リットルのビールを飲む/ニュージーランド出身
まずは日本と同じ20歳で成人を迎えるニュージーランドから。同国では成年年齢法により20歳が成人とされていますが、各個別法により成人年齢が定められています。
例えば、選挙権は18歳から。結婚適齢は親の許可があった上で男女ともに16歳です。
「ニュージーランドでは20歳の成人祝いよりも、21歳の誕生日を盛大に祝うよ。過ごし方は友だちとパーティーをしたり親と祝ったりそれぞれだけど、とにかくバカでかいビールを飲むのが伝統なんだ」(ニュージーランド出身)
かつてニュージーランドでは、法的に成人と認められる年齢が21歳でした。1970年に成人年齢が20歳に引き下げられましたが、現在でも21歳の誕生日を盛大に祝う風習が残されています。
そして21歳の誕生日に「ヤードグラス」という細長いグラスにビールを注いで飲む「ヤード・オブ・エール(Yard of ale)」が伝統です。
2リットル以上のビールを飲む豪快な伝統ですが、大量のお酒を一度に飲む行為は大変危険なので、絶対にマネしないようにしましょうね。
成人祝いより豪勢な「16歳」のお祝い/アメリカ出身
州によって成人年齢が異なるアメリカ。多くの州では法律上、18歳が成人年齢となっているところがほとんどで、選挙権もあります。ただし、喫煙は18歳から、お酒は21歳からなど年齢制限が異なるのも特徴です。
「私の州は18歳で成人として扱われるけど、特にイベントもないから友だちと飲みに行ったわ。ただ、アメリカの女の子は16歳を迎えるときに『Sweet sixteen』のパーティをするから、そっちのほうが重要だね」(アメリカ出身)
「Sweet sixteen(スウィート・シックスティーン)」とは、大人の仲間入りとして16歳の誕生日を祝うアメリカの伝統的なイベント。当日は家族や友だちを集めて盛大なパーティーを開くのだとか。
「アメリカは州によって成人の歳が違うけど、多くの人は飲酒が解禁される21歳を意識してると思うよ。女の子は『Sweet sixteen』があるけど、男の子はアルコール解禁の誕生日パーティーをするくらいかな」(アメリカ出身)