春になり、新生活がスタートしましたね。日本では多くの学校で「入学式」が行われますが、複数の外国人に話を聞いてみると意外にも「入学式って何?」というリアクションが多くてびっくりしました。
実は、入学式をあらたまって行う日本こそが、世界的に見て不思議な国だったのです。今回は、その前提を踏まえて、世界の入学シーズンにおける伝統をいろいろと聞いてみました。
結果として、なぜ日本では入学式が行われるようになったのかについても調べてみましたので、ぜひともチェックしてみてくださいね。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
中国や台湾では「9月入学」が当たり前
かつて海外の取材で一緒になった各国の同業者たちと連絡をやり取りするFacebook上のチャットがあります。そのチャットに、先の2月12日、突如として「Happy Lunar New Year」という言葉があふれ返りました。
チャットには台湾人、マレーシア人、カンボジア人、イタリア人など多国籍な人間が入っています。要するに「旧暦」を祝う文化圏で暮らす人たちのお祝いの言葉が、チャット上に急に投稿され始めたのですね。
日本でも江戸時代までは、旧正月(旧暦の正月)が祝われていました。しかし、明治時代に欧米の新暦を採用するとともに、季節外れでも新暦に沿って旧暦の文化を祝うようになります。
完全に浸透するまではかなりの不平不満が出たそうですが、結果として中国や台湾などと新年を祝うタイミングがずれてきはじめました。
逆に台湾や中国、香港などの学校のスケジュールは、いまでも旧暦に大きく影響を受けています。
まさにこの旧正月が訪れる時期を挟んで、台湾や中国の子どもたちは休みに入るそうです。休み明けに2学期(後期)の始まりを迎え、2学期(後期)の終わりは夏前の6月末。そこからまた夏休みに入り、9月に新年度を迎えます。
以上の年間スケジュールを見ても、中国や台湾、香港では学校のスタートは9月です。もちろん、入学式も9月。
日本だと4月の桜の咲く時期がまさに新学期のスタートというイメージですが、台湾の友人によれば、まさに9月こそが変化と始まりの到来を予感させるワクワクの時期になるみたいですね。