実は、日本は特殊だった?9月入学が当たり前の世界の「入学式」
欧米では「入学式」が簡素
9月入学という話は、新型コロナウイルス感染症の影響が騒がれ始めたころ、日本でも盛んに議論されました。日本の子どもたちが学校に通えない時期が続くと、日本でも入学時期を9月にずらそうという話が出てきたわけです。
冷静に世界を見渡してみると、お隣の中国や台湾、香港などと一緒で、9月入学がスタンダードになっています。
むしろ、9月入学でない国の方が少数派で世界とリズムを合わせる上でも、日本も9月入学に切り替えた方がいいという議論が起こりました。
結局、新型コロナウイルス感染症の影響下でも学校が再開され、休校期間の遅れを現場の努力であっという間に取り戻してしまうと、その議論もしぼんでいきました。しかし日本の入学シーズンが世界的に見て特殊だという状況は、多くの国民が知るところとなったはずです。
ただ、よくよく北米の友人に聞いてみると、日本の入学式は、シーズンだけが特殊なのではないようです。そもそも入学式というかしこまったセレモニー自体も特殊だと分かります。
日本の入学式といえば、親子で正装しますよね。例えば、母親は胸にコサージュを付けて、学校の校門にある「入学式」などと書かれた立て看板の前で、記念撮影をする光景が思い浮かびます。
式典では、校長の先生の挨拶があり、在校生の合唱などで会場は歓迎ムード満載。新入生はこれから始まる新しい生活の不安と期待を全身で予感します。
しかし、この手の大掛かりな入学式は、北米の友人たちによると、なかったそうです。
ちょっとしたオリエンテーションはあったものの、わざわざ保護者がドレスアップして、親子で何かの式典に参加するといった習慣は、誰も思い当たらないとの話。
日本人の感覚でいえば、小学1年生が2年生に上がる、中学2年生が3年生に上がる、大学3年生が4年生に上がるみたいな、進級に近いイメージみたいですね。
その代わり、卒業式については以前ご紹介した通り、各国でさまざまな伝統があるみたいですよ。
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