中国「国慶節」観光客が日本に続々…この大型連休で日本にくる本当の理由は?

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2023/10/04

中国では、9月29日から始まった「中秋節」と、10月1日からの「国慶節(こっけいせつ)」が重なり、8日間の大型連休が発生しています。

海外旅行を検討する人も多く、日本各地の空港はすでに多くの中国人で溢れかえっています。

多くの方は観光が目的のようですが、なかにはこの連休中に日本の「不動産」を購入したり、移住予定の家を「内見」したりする人も多いようです。

そこで今回は、中国人のリアルな声を知るべく、日本在住の中国人にアンケートを実施。「日本の生活や住んでいるエリア」など、たくさん質問させていただきました。

なぜいま、中国人は日本移住をめざすのか

世界には移民にポジティブな国も多いなか、なぜいま「日本」を選ぶ中国人が増えているのでしょうか。

image by:Graeme KennedyShutterstock.com

コロナ禍の厳重なロックダウンを経験した中国では、ネット上で「潤(読み方:ルン)」という言葉が流行りました。

「潤」は”移民する”という意味の隠語。厳格なゼロコロナ政策や中国景気の減速により、海外に逃げ出したいと考える中国人が増えた結果、このようなネットスラングが生まれたようです。

中国のネットで、「潤学」という言葉は流行っている。ちょっと分かりづらいだろう。「潤」は本来「潤い」という意味だが、現在「潤」という動詞は「海外に移住する」、つまり移民の意味合いを持つようになった。「潤学」は中国を離れて先進国に移住する方法を研究することを意味する。つまり、移民の学問だという。

中国語の「潤」は「光り輝く」「利益(儲け)」を意味し、「過得滋潤」のように「潤」には、現地の口語では「快適に暮らす」という意味もあるので、「より良い場所に逃げ込む」という深い意味もあるのだそうだ。

(黄文葦氏のメルマガ「黄文葦の日中楽話」から引用)

今日本を選ぶ理由としては、中国と距離が近くて移動がしやすいこと。そして治安がいいイメージがある日本で、管理体制の整った物件に住むことが、ゼロコロナ政策で不満が鬱積した中国人たちの救いになっているようです。

人気のエリアは港区や千代田区などの一等地

image by:Shutterstock.com

中国人の移住先として人気が高まっているのが、港区千代田区、新宿区渋谷区といった、都内の一等地とされるエリア。


実際に港区に住んでいるという中国人の男性は、港区を選んだ理由としてこう話します。

「住みたいと思った理由は、日本の首都であり、文化や経済の中心地でもあること。交通や施設が充実しているから通勤もしやすいし、レストランやショッピングモールなども多くてとても住みやすいです」

中古マンションなら、北京よりも安く購入できる

中国・北京 image by:Shutterstock.com

日本人からすると、日本の一等地に家を買うなんて…とお金の心配をしてしまうところですが、中国の北京でマンションを購入するのとそれほど価格に差はありません。

中国北京の高級マンションの平均価格は、1平方メートルあたり70万円、1部屋120平方メートルで8,400万円〜1億円といわれています。

一方、港区の新築マンション価格相場は1LDKで約5,000〜8,000万円、2LDKで約7,000万〜1億円。駅からの距離・間取り・平米数、ブランドなどによっても価格が変動しますが、同じく120平方メートルほどで考えれば約9,000万〜1億5,000万円ほどになります。

中国のマンション image by:Shutterstock.com

ですが、これが中古マンションなら、新築価格から割安で購入できます。

「中国では同じ広さや条件で比べると、日本の物件よりずっと安いです。日本では都心部では特に家賃が高く、手取りの半分ほどを払う人もいると聞いて驚きました。

ですが、中古マンションの価格ならそれほど金額の差もなく購入することができます」(中国出身・港区在住)

中国の不動産価値が下がった現在こそ、日本の中古マンションを一棟買って中国からの移住をフォローするのも納得ですね。

「日本の物件や土地のいいところは、清潔で整備されていることです。日本では建物や道路などがきちんと管理されており、汚れや破損が少ないです。また、防犯や防災の設備も充実しており、安全に暮らせます」(中国出身・港区在住)


日本の賃貸物件は中国に比べてコンパクト

image by:Shutterstock.com

しかし、都心の物件ならではの不満もある様子。

「日本は中国に比べて土地が限られているので、物件の広さや立地によって価格が大きく変わります。特に都心部は狭くて高い物件が多く、快適に住むにはコストがかかります」(中国出身・港区在住)

広大な敷地をもつ中国に比べたら、日本の物件がコンパクトに感じるのも仕方ないですね。

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