なぜ日本はクサイのか?外国人に聞いた、海外の「ニオイ」文化

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幼い頃からデオドラントの教育をする/アメリカ

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続いては、アメリカのニオイ事情について。先ほど、中国では果物を食べることによって体のニオイを芳香に変えていたという話がでましたが、肉を食べすぎると体臭がクサくなるという話を聞いたことはありませんか?

真意は定かではありませんが、主食としてたくさん肉料理を食べる人は体臭がキツいのでは、なんて印象を持たれていることもあるそうですが、実はアメリカ人はデオドラントの意識がとても高いのです。

多くの人が朝起きて、出かける前にシャワーを必ず浴びるほど、体臭に関する意識が日本とは少し違っている様子。朝の歯磨きのように、体臭のケアは常識のひとつとなっているみたいです。

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日本では香りの強い芳香剤や香水などが嫌がられることも珍しくありません。つけすぎ・においすぎることよりも、無臭が好まれ、消臭効果のあるもので「ニオイを消す」ことを意識しています。

ちなみに金山宣夫『比較文化のおもしろさ』(大修館書店)によれば、アメリカも大量に消臭剤や防臭剤が消費され、台所やトイレなどに「それらしいニオイ」が全く感じられない文化が一般的に広まっているとのこと。

そしてシャンプーやリンス、ボディーソープなど日常的に使用するアイテムは、香り豊かなものが多く販売されています。これは体臭よりも、ソープ類のニオイがしたほうがいいと考える人もいるみたいですね。

さらにアメリカでは、子どものころにデオドラントのケアについて親や学校から教育を受けます。例えば、体を洗う際は、消臭効果のあるボディーソープを使ったり、脇や足などもしっかりと洗うように教わるのだとか。

日本では思春期や大人になってから自発的に気にすることはあっても、学校などでデオドラントに関する教育を受ける機会はなかなかありません。

実際に日本に住むアメリカ出身のかたに聞いてみると、

「コロナ前はよく色々なバーで飲んでいたんだけど、隣り合った日本人の口臭や汗のニオイが気になったことは結構ありました。私は日本人と外国人が5:5の会社で働いていますが、ランチ後に歯磨きをしている日本人男性を見たことがないんです」とコメント。また、

「日本人は香水のニオイや柔軟剤の香りが嫌いという人も多い気がします。もちろんアメリカにもそういった香りが苦手な人はいますが、私は嫌な体臭が臭うよりはマシかなと思って香水を付けてます。だから日本だと香水じゃない香り=体臭、嫌なニオイに過敏になって、クサイと感じてしまうかも」とのこと。

一説によると「病院にかかる」こと自体が非常に高額になるアメリカでは、歯医者にかからぬようオーラルケアを徹底している人が多いのだとか。日常的に口臭や体臭に気をつけるという意識は、日本とアメリカとは大きく異なっているのかもしれませんね。

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