なぜ日本はクサイのか?外国人に聞いた、海外の「ニオイ」文化

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ご遺体のニオイを消す/タイ

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続いてはタイから。熱帯に位置するタイでは独特のニオイ文化が発達しています。温暖な気候のタイでは体の腐敗も進むため、亡くなった方のニオイを消す文化があるのだとか。

<棺の中へ石灰、茶の葉、粉うこん、サケー樹(パンの樹)、ファラン樹(バンジロウ)、更には籾殻の燃えかすや、馬糞紙等のうち、いずれかを一緒に収めて>(大東文化大学の国際関係学部の公式ホームページより引用)

しかし先の金山宣夫『比較文化のおもしろさ』(大修館書店)によれば、この悪臭を発するご遺体のニオイを会葬者が喜ぶ風潮も同時にあると書かれています。

ニオイはご遺体の不浄な成分が除去されている証であり、その作業の手伝いを通じて徳を積んでいる意識が会葬者には感じられるのだとか。

こんなニオイに関する不思議な文化が指摘されるタイでは、あいさつにも独特の伝統があります。


相手のほおのニオイをかぐ/タイ

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タイの人は家族や友だちとのあいさつの際にキスします。

現在でこそ欧米風のキスが流入し、くちびるをほおに付ける仕草に代替されているみたいですが、もともとは相手のほおのニオイをかぐ動作だったそう。

その上で「いいにおい」などといってお互いの香りを褒め合うみたいです。

金山宣夫『比較文化のおもしろさ』(大修館書店)によると、タイは嗅覚型文化に分類され、同じく嗅覚型文化に属するアラブ人も同じように相手のニオイをかぐあいさつがあるみたいです。

日本では確実に失礼な部類に入る行為ですが、体臭に対する意識の違いなのかもしれませんね。

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