普段使っている日本語のなかには、海外では少し注意したほうがよいものも少なくありません。例えば、色彩の「黒」がイタリアではちょっと際どい意味だったり、一人称の「僕」がトルコでは下品な意味になったり。
このように私たちが普段使っている日本語でも、外国人からするとスラングや別の意味に聞こえるケースがあるのです。そこで今回は海外ではとんでもない意味を持つ日本語の「NGワード」をいくつかご紹介していきます。
新型コロナウイルス感染症が終息し、諸外国に再び自由に行けるようになったら十分に注意してくださいね。
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※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
坊や/イタリア語
皆さんは『まんが日本昔ばなし』を見ていましたか?テーマ曲といえば「坊や、よい子だ、ねんねしな」の歌詞が多くの人に思い浮かぶと思います。
わが子を「坊や」と普段は呼ばない保護者であっても、子守唄の代わりにこの歌を口ずさんで、寝かせる場面もあるかもしれませんね。
例えば、乳幼児と一緒に出かけたイタリア旅行の帰り道、アリタリア航空の機内で消灯時間に子どもを寝かせる必要が出てきたとします。
普段と異なる環境に興奮している幼児を寝かせようと、優しく胸をなでながら、あるいは軽くたたきながら「坊や、よい子だ、ねんねしな」と子守唄を口ずさむかもしれません。もちろん周りが日本人ばかりの便だったら、ほほえましい光景として見守ってくれるでしょう。
しかしイタリア発でどこかの空港でトランジットして日本へ向かう便の場合、フライトアテンダントも周りの乗客もイタリア人だらけかもしれません。
その状況下で「坊や」と歌うと、出だしがとても印象的な歌なので、周りが思わず注目する可能性も。日本語の「坊や」はイタリア語で「boia」と聞こえます。イタリア語〜英語の辞書『Collins』で「boia」を調べると「executioner」と書かれています。
ちょっと見慣れない言葉ですよね。あらためて英語〜日本語の辞書を調べると「死刑執行人」と書かれています。イタリア語で「boia」は「死刑執行人」の意味なのですね。
消灯した飛行機の中で「死刑執行人」とつぶやきながら、雰囲気のある歌を口ずさむ状況ができあがるわけです。
多くのイタリア人が何かの偶然と思うはずですが、あまりにも偶然の一致で周りのイタリア人たちの眠気も吹き飛ぶかもしれませんね。