世界一長い&短い飛行機のフライトは?路線・空港に関するトリビア

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世界で「最もフライト距離が短い路線」はどこ?

コンゴ共和国・ブラザビル「マヤマヤ空港」image by:Unsonique, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

世界で「最もフライト距離が短い路線」がどこかを最後に調べてみましょう。国際線では「Brazzaville」から「Kinshasa」が第1位だと書かれています。その距離はわずか13マイル。距離にして約20kmほどですね。東京の新宿から府中くらいの距離を国際便に乗って移動するイメージです。

どちらの地名も聞きなれないので調べてみると、「Brazzaville(ブラザビル)」はコンゴ共和国の首都、「Kinshasa(キンシャサ)」はコンゴ民主共和国の首都だと情報が載っていました。

この時点で「えー?」と感じる人も少なくないと思います。アフリカには「コンゴ」と名前の付く国が国境を共にして2つ存在しているのですね。

最もフライト距離が短い路線:マヤマヤ空港(コンゴ共和国)〜ヌジリ国際空港(コンゴ民主共和国)

コンゴ民主共和国・キンシャサ「ヌジリ国際空港」image by:Bundeswehr, Public domain, via Wikimedia Commons

『広辞苑』(岩波書店)によると、ブラザビルを首都とするコンゴ共和国は旧フランス領、キンシャサを首都とするコンゴ民主共和国は旧ベルギー領で、どちらも1960年に独立を果たしています。

両国の間には大西洋に流れ込むコンゴ川(ザイール川)が流れていて、肥沃なコンゴ盆地でその上流が稲光のように四方に伸びています。

しかも日本人からすると驚きですが、大河を隔てて両国が分け合う肥沃で広大なコンゴ盆地には、熱帯雨林が広がっています。その面積は世界第2位。アフリカ=砂漠というイメージとかけ離れた世界がコンゴにはあるのですね。

両国の首都はコンゴ川を挟んで向き合っています。その首都間をわずか20km足らずの距離で国際線が就航しています。世界で最も短い路線にふさわしい環境だと分かります。

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ちなみに各国で就航する「国内線」のなかでフライト距離が最も短い路線を比較すると、世界トップ10に日本のフライト路線も入っています。那覇空港〜久米島空港へ飛ぶ50マイル(約80km)の国内線で世界第7位です。

久米島とは沖縄本島の西に浮かぶ島で、那覇とは同じ県内ですね。羽田空港とも久米島空港は国内線を就航させているので、空港内の掲示板で「久米島」の文字を見た覚えのある人も少なくないはずです。

経営的には近年厳しい状況にあるみたいですが、それでも令和元(2019)年の久米島空港の旅客利用者数は、25万7,311人も存在しています。この数は石川県の能登空港や和歌山県の南紀白浜空港よりも多いくらいです。

美しい海を求めて、久米島を訪れる人は少なくないみたいですし、その人たちを運ぶ拠点と手段として空港とフライト路線が機能しているみたいですね。

ちなみに今回のランキングには記載されていませんでしたが、実は南大東空港〜北大東空港もかなり短く、なんと約13kmの距離。どちらの空港も沖縄県にあります。

今回は世界の空の旅に関する意外なトリビアをまとめてみました。なかなか旅に出られませんが、この手の情報で少しでも海外の気配を感じてもらえれば幸いです。

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