のっけから失礼しますが、温泉はにごり湯が好きです。といっても、都内からドライブで行ける範囲でのにごり湯となると、なかなか数も限られてしまいます。
近いところでは箱根の仙石原や草津あたりを思い浮かべるかもしれませんが、今回はとことん極上湯にも関わらず意外と知られていないような気がする長野県の「七味(しちみ)温泉」をご紹介したいと思います!
七味温泉があるのは長野県高山村。長野の北東部、須坂市の東に位置するこの村は豊かな自然に恵まれ、特産品としてはフルーツやワインづくりで有名な村です。
標高900mを超える松川沿いに点在する温泉群を高山温泉郷と呼び、その一番奥、群馬県との県境に位置するのが七味温泉です。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの国内・各都道府県情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
穴場も穴場、大穴狙いの期待を裏切らない山間の極楽温泉
「七味温泉」という名前がなんだか可愛らしく聞こえますが、自然湧出する成分の異なった7つの温泉を混合しているのが由来です。
湯はその時の温度や成分の具合で微妙に質感を変えますが、2020年に私が訪れた時には、太陽の光に青白く輝く、みごとなにごり湯でした。
特に素晴らしかったのが、松川を眺める絶景の「恵の湯」(2021年1月閉館)という日帰り温泉施設。広々とした露天は開放感にあふれ、ドバドバっと源泉掛け流しを堪能させてもらえる太っ腹な心意気。頭上には青空が広がり、ぐるりと360度は山の緑です。
聞けば、毎日夜の7時から12時間かけて大きな湯船の湯を入れ替えるというのですから、その湯の新鮮さがおわかりいただけるかと。地元にもファンが多いようで、たまたまご一緒したご婦人は「ここの湯はなんでだかわからないけれど、日によって足の裏が黒くなる時があるよね?」と話されていました。
しかしながら新型コロナウイルスコロナの影響がどうかは不明ですが、この「恵の湯」とそれを運営する宿「渓山亭」が残念ながら閉業となってしまっていることを知って実にショック!
「恵の湯」の素晴らしさを多くの人に知ってもらいたいと思っていたので、これは本当に残念。痛恨の一撃でした。
「恵の湯」の野天湯浴みは叶いませんが、七味温泉の極上湯はもちろんこの瞬間にもフツフツと湧き出でているので、その湯の素晴らしさを味わってほしいと思います。
七味温泉には、現在お料理が美味しいと評判の宿「紅葉館」と、日帰り温泉施設「山王荘」があります。去年訪れた際には「山王荘」は休業中だったので、どんな様子かぜひ見に再訪したいと思います。
とにかく山奥の、何にもないが素晴らしい七味温泉。宿の部屋の窓から外を眺めていると、タヌキが遊びにやってくる様子までよく見えて、ほっこりしたのを思い出しました。
もちろん夜になると満天の星空です! かに自然と温泉に癒されたい人に最高のロケーション。そうそう、当然ですが近くには売店もコンビニにも何もありません。入用のものは高山の商店でお求めになってから七味温泉を目指してくださいね。
- 七味温泉 紅葉館
- 長野県上高井郡高山村大字牧2974-45
- 026-242-2710
- 日帰り入浴:大人 500円(中学生以上)、小人400円(オムツの取れないお子様は入浴できません)
- 日帰り入浴:10:00~16:00退室(連休、GW、お盆、紅葉時期、年末年始は15:00退室)
- 公式サイト
- 七味温泉 山王荘
- 上高井郡高山村七味温泉2974-53
- 026-242-2627
- 入浴料:500円
- 定休日:不定休
- 10:00~18:00
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