「マンションに住んでいます」は誤解を招く?日本とは違うアメリカの住宅事情

image by:Shutterstock.com

高騰するアメリカ都市部の賃貸住宅

image by:Shutterstock.com

ところで、アメリカの都市部では賃貸住宅の値段がこの20年ほどずっと上がり続けています。賃貸情報を掲載する WebサイトRENTCafe.comの賃貸市場の動向によると、私が住むカリフォルニア州アーバイン市だと、平均的な1ベッドルームのアパート家賃が2,500ドル(約27万5千円)ということです。

全米でもっとも住宅費が高いサンフランシスコやニューヨークともなると、同じく平均的な1ベッドルームのアパート家賃が約30万円を越えることも珍しくありません。

アメリカの「Luxury Apartments」image by:Shutterstock.com

そうなりますと、例えば大学を卒業して就職したばかりの若い人が(若くなくても)、アパートでひとり暮らしを始めるなんてことはほぼ不可能です。

ですから、アメリカ人との会話ではよく「ルームメイト」という言葉が出てきます。何人かでひとつのアパートをシェアするわけです。新婚夫婦でさえ、同じアパートの1室を他人とシェアするケースもよくあります。

image by:Shutterstock.com

もはや四半世紀以上も前の話になりますが、当時大卒3年目の私が東京からニューヨークに引っ越ししたときは、家賃1000ドルほどで1ベッドルームのアパートを借りることができました。それでも随分高いなあとは思っていましたが、まだ普通のサラリーマンの給料でなんとか払える金額ではありました。

そのことを考えると、現在はまさに隔世の感があります。実感としては、私が若かったころから比べて、賃貸家賃は3倍以上に値上がりしているのではないでしょうか。いくらインフレ傾向のアメリカとはいえ、あまりといえばあまりの高騰です。

アメリカの若者も大変だなあと思わざるを得ません。その過酷な住宅事情から逃れるために、かつて人気があったカリフォルニアやニューヨークから他の州に移住する人が増えています。

私の周囲でも、何人かの若い友人たちがアイダホ、ニューメキシコ、テキサスへと仕事を見つけて引っ越していきました。そこではカルフォルニアでアパートに払っていた家賃以下で一軒家が買えたり、借りたりできるそうです。

  • 参考:RENT Cafe「Irvine, CA Rental Market Trends
  • image by:Shutterstock.com
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
  • ※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウィルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
いま読まれてます

Page: 1 2

TRiP EDiTOR編集部 :TRiP EDiTORは、「旅と人生をもっと楽しく編集できる」をコンセプトに、旅のプロが語りつくす新しい旅行メディアです。