シンガポールへの持ち込みが禁止されているアイテムとして「チューインガム」があります。日本ではごくごく普通に売られているガムですが、シンガポールでは国を美化する狙いで、吐き捨てを封じるためにチューインガムを違法な食べ物としているからですね。
このように日本では当たり前に食べられているのに、ある国に行くと食べられないといった食べ物は他にもあります。
そこで海外で実は禁じられている食品をいくつかご紹介。新型コロナウイルス感染症が収まり、再び海外へ出られるような時代を見据えて頭に入れておいてはいかがでしょうか。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
フグ/アメリカ、EU
日本では「フグ」がある種の高級魚として扱われており、「フグは食いたし命は惜しし」と命の危険を感じてもフグを食べたい人が日本には存在します。しかしフグはアメリカの多くの州で禁止されています。EU(欧州連合)でも禁止。その理由は明確でフグが毒を持つからですね。
わが家の子どもの本棚にある『小学館の図鑑NEO 危険生物』を開いてみると、食中毒を起こすフグの仕組みが詳しく説明されていました。
フグ毒(テトロドトキシン)は、フグのみならずヒョウモンダコ、大型の巻貝などにも含まれる猛毒なのだとか。
テトロドトキシンをつくる海中の細菌を小型動物プランクトンが食べ、そのプランクトンを小型の巻貝やカニの仲間などが食べ、その小型の生き物をフグやヒョウモンダコが食べ、結果としてフグの肝臓や卵巣に毒が蓄えられるのですね。
日本語訳「フグを食べたことがありますか?非常に有毒ですが、とても美味しいです!最も重要なことは、安全対策が講じられているおかげで、日本で安全に食事をすることができるということです」
フグの毒にあたると食後約20分から3時間くらいの間に、唇や舌の先、指先がしびれ、頭痛、腹痛、吐き気が始まるそう。次いで手足の動作が鈍くなり、言語が上手に使えなくなります。さらに悪化すると手足が動かなくなり呼吸も困難に。
最終的には意識がなくなり呼吸が止まり亡くなってしまうことも。病院へ行ったら人工呼吸器で呼吸を助けながらフグの毒が体の外へ出るまで待つしかないそうです。
種類にかかわらずフグの肝臓や卵巣には毒が高濃度で蓄えられ、種類によっては腸、皮などにも猛毒があります。そのため多くの国では食用が禁止されているのですね。日本では時々その毒で死者が出ています。しかし美味しい魚だからこそ「フグは食いたし」なのですね。