死者と共に暮らす。海外では当たり前だけど日本では考えられないこと

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金曜日が「休み」になる/イスラム教国家

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日本人にとって休みといえば、土曜日と日曜日です。明治時代になってから法整備が進んだ新しい習慣ともいえますが、土曜日・日曜日=休みは、いまでは当たり前に浸透していますよね。

もちろんその由来は、ユダヤ教における安息日(あんそくにち)やキリスト教における主日(しゅじつ/イエスの復活の日)から来ています。

<昨日は安息日故に全く銃猟は打捨、思を耶蘇聖教に寄せ静に一日を送り>(岩波書店『広辞苑』より引用)

と、新島襄・板垣退助の明治時代に書かれた手紙にも書かれていたようです。「耶蘇(やそ)」とはイエスを意味します。要するに、キリスト教の影響を日本の休日は強く受けたわけです

国の宗教が変われば、この休日も当然変わります。例えば、イスラム教国家の休日(安息日ではない)は金曜日です。

同じイスラム教国家でも、宗教と政治を分離したトルコこそ土日を休日にしているみたいですが、他の主なイスラム教国家は金曜日を休みのような扱いにしています。

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土曜日から1週間がスタートし金曜日に終わると考え、その最終日に集団礼拝で信者がモスクに集まります。筆者の暮らす富山にもイスラム教国家のパキスタン人がたくさんいて、国道沿いにつくったモスクなどで金曜日に合同礼拝しています。

正式には安息日ではないものの、一般的に官庁や会社も金曜日に業務をストップするケースがイスラム教国家では多いといいます。このあたりの文化の違いも世界を旅しながらちょっとずつ体験として学んでいきたいですね。

今回は日本でなかなか考えられない習慣や儀式、社会ルールなどをご紹介してきました。歯を平らに削る成人式だとか、遺体を墓場から出して着替えをさせて一緒に時間を過ごすだとか、日本では驚くような習慣も少なくありませんでしたね。

もちろん私たちがまだまだ知らない、世界の不思議はたくさん隠されています。そしてそれらの文化を知ることによって、また新しい視点から魅力を見つけ出すことができるのではないでしょうか。

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