世界をリードする航空機メーカー「ボーイング」。日本でも、ANAやJALをはじめ、世界中で多くのボーイング製航空機が飛んでいます。
そのボーイング創業の地であり、いまも一大拠点のひとつであるのが、アメリカ・シアトル郊外の街「エバレット」です。
エバレットにあるボーイングの工場では多くの航空機が製造され、ここから世界中に旅立っていきます。そして工場に隣接して一般向けの発信拠点「Boeing Future of Flight」があり、工場見学のツアーが行われています。
このツアーは世界中の航空ファンに人気が高く、一度参加するのは誰もの憧れ。今回は2014(平成26)年と2018(平成30)年に2度訪れた筆者が、ツアーの内容やシアトル中心部からの交通アクセスなどを紹介します。
なお、工場見学ツアーは新型コロナの影響により、現在中止(11/10時点)。ツアー再開など最新情報は、「Boeing Future of Flight」発表するとしています。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
世界中で活躍する旅客機が旅立つ、まさに原点の場所
そもそも「ボーイング」は1916(大正5)年、ウィリアム・E・ボーイングと米海軍技師ジョージ・コンラッド・ウエスターバレットがシアトルで創業した「B&W」が発端。その後、2度の世界大戦などを経て、世界最大の航空メーカーとしての地位を確立しました。
旅客機や貨物機をはじめ、軍用機、宇宙船や宇宙機器、衛星や衛星打ち上げ機などの研究、開発、設計、製造を行う巨大メーカーです。特に「ボーイング747」「ボーイング787」などが有名で、本社はシカゴにあります。
ボーイング・エバレット工場は、ボーイングにおける飛行機組み立て工場であり、「ボーイング747」「ボーイング767」「ボーイング777」の各シリーズを製造し、世界中の航空会社に納入しています。
なお、以前ここで製造されていた「ボーイング787」シリーズは、ボーイング・サウスカロライナ工場に製造が集約されました。
エバレット工場には、ペイン・フィールド空港が隣接し、製造されたばかりの航空機の試験飛行なども、この空港にある2本の滑走路を使って行われています。
「Boeing Future of Flight」を訪れると、タイミングがよければ、屋上の展望デッキから試験飛行の様子を眺めることができます。
ボーイング公式グッズショップや展望デッキが楽しい
「Boeing Future of Flight」は、ボーイングの一般向け情報発信拠点。これまで製造した航空機の部品やモデルプレーンなどが展示されています。工場見学ツアー参加者は、無料で見学可能。学習向けのロボットやドローンのワークショップもあります。
この「Boeing Future of Flight」にボーイング公式ショップがあり、誰でも無料で利用できます。ボーイング公式ロゴをあしらったTシャツなどのアパレル、文具、雑貨、モデルプレーン、おもちゃなどを数多く販売。なかにはセール品もあるので、お得に買い物できることも。
また「Boeing Future of Flight」の屋上には、エバレット工場や滑走路が一望できる展望デッキがあります。柵が低いので、眺めは抜群。
航空会社に納入する前、製造完成したばかりの機体が並ぶ様子や、運がよければ試験飛行をする機体が目の前の滑走路を発着します。近年、ペイン・フィールド空港に旅客ターミナルが新設され、アラスカ航空が就航しました。
なお、航空機の実機展示などはシアトルにある「The Museum of Flight」(ボーイング航空博物館)にあります。展示内容の充実度はこちらのほうが上で、より一般向け。「Boeing Future of Flight」から車で移動すると所要1時間弱です。
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