旧暦で「神無月(かんなづき)」と呼ばれる10月ですが、全国で唯一「神在月(かみありづき)」となる島根県。松江市や出雲市に日本中から八百万の神々が集まるという伝説からそう呼ばれています。
現在の暦とは違い、1カ月後ろ倒しとなる旧暦。そのため、島根県の各スポットでは12月の初めごろまで「神迎え」や「神送り」の神事が随時行われています。
今回は島根県のなかでも松江市にフューチャーし、厳選のパワースポットを4カ所ご紹介します。
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神々が集結する「超強力パワースポット」がズラリ
佐太神社
海沿いの鹿島町にあり、開運招福のご利益があるパワースポット「佐太神社」。八百万の神の「親神」といわれる国生みの女神「伊弉冉尊(イザナミノミコト)」が祀られ、「出雲大社」と同様にイザナミへ会おうと神々が集まる神社です。
創建は養老元年と伝わる神社の御本殿には12柱もの神々が祀られ、なかでも「猿田彦大神」と、同神となる主祭神の「佐太大神」は出雲でも最も尊いとされる「四大神」の1人という非常に強力な存在だけに、パワースポットとしての魅力も倍増。
さらに、国の重要文化財である建造物や工芸品の数々がおさめられていることや、毎年行われている祭礼行事「佐陀神能」がユネスコ無形文化遺産に指定されていたりと、貴重な文化が集約されているスポットです。
- <アクセス>
- 【車】JR松江駅よりR431、松江鹿島美保関線で約30分
- 【一畑バス】 JR松江駅6番乗場から「恵曇・片句・古浦」行き乗車(約25分)バス停「佐太神社前」下車すぐ
売豆紀神社(めづきじんじゃ)
『古事記』『日本書紀』などの日本神話に登場する「下照比賣命(シタテルヒメ)」を祀る「売豆紀神社」。「出雲国風土記」に記述が見られるなど非常に古くから慕われ、神在月に立ち寄った神々が「居心地が良い」と帰らなくなるという伝説を持っています。
境内には、日本初の和歌を詠んだ「和歌の祖神」としても知られる下照比賣命を讃える記念碑も。毎年12月3日〜9日には、絶世の美しさを誇る女神のもとへ訪れた神々のため「神在祭」が行われています。
パワースポットと名高く、可愛らしい「子宝いぬ」の石像に触れると子宝に恵まれるといわれ、病気平癒や諸災祓除のご利益も。松江藩の歴代藩主たちも、たびたび参拝に訪れたと言われる名所です。
- <アクセス>
- 【車】 JR 松江駅より約4分
- 【徒歩】 JR松江駅より約23分
多賀神社(たがじんじゃ)
「佐太神社」へと訪れた神々が、その帰り道に足を運ぶという言い伝えのある「多賀神社」。大橋川にほど近いロケーションに建ち、5本もの川が集約している極上の漁場としても知られています。
集まった神々が楽しみながら眺めるといわれているのが、魚釣りを得意とするヱビス様(コトシロヌシ神)による釣り大会。神迎えの祭事は、毎年11月25日の夕方ごろに行われています。
神々が鑑賞する場所は「魚見山」と呼ばれ、古来より10月25日にはお清めが開始されてきたそう。その場所や伝説からもわかる通り、開運はもちろん「水難除去」のご利益があるとされ、大きな鳥居と川がコラボレーションした風景は圧巻です。
- <アクセス>
- 【市営バス】JR松江駅6番乗場から「八束町・由志園入口」行き乗車(約25分)「矢田渡し場」バス停下車後、徒歩約4分
八重垣神社(やえがきじんじゃ)
日本神話のなかでも知名度の高い「素盞嗚尊(スサノオノミコト)」と「稲田姫命(イナタヒメノミコト)」を主祭神に祀る「八重垣神社」。日本を代表する仲良し夫婦の2人が住居を構えたと伝わる場所で創建されました。
境内には日本の総氏神様である伊勢神宮の「伊勢宮」や稲田姫命の両親を祀る「脚摩乳神社」「手摩乳神社」、巨大な2本の杉が並ぶ「夫婦杉」など、夫婦にまつわるスポットが点在しています。
なかでも人気を集めているのが「鏡の池」。素盞嗚尊が「八岐大蛇(ヤマタノオロチ)」と戦う際に稲田姫命を守るために隠したといわれ、稲田姫命を祀る「天鏡神社」も立地。半紙を神札授与所で購入し池に浮かべ、お告げを読んだのちに硬貨を乗せるという占いをすることができます。
- <アクセス>
- 【車】 JR 松江駅より約15分
- 【市営バス】JR 松江駅4番乗り場から「八重垣神社」行き乗車(約20分)
全国の神々が集まる神在月に、1年で最も華やかな時期を迎える松江。祭神の神々のみならず他地域からも強力な神々が訪れる珠玉のパワースポットを、ぜひ巡ってみてはいかがでしょうか。