日本はこれを食べちゃうの!?外国人がショックを受けた日本の当たり前

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パンに欠かせない「マーガリン」も禁止?

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パンにはバターを塗りますか?マーガリンを塗りますか?大人になって結婚し子どもを持った現在はバターを使うようになりましたが、子どものころ筆者が育った家ではマーガリンを塗っていました。

バターとは牛乳の脂肪からできている食品で、ラードは豚の脂肪からできています。マーガリンとは、

<1869年にフランスでバターの代用品として開発された。人造バター>(岩波書店『広辞苑』より引用)

と書かれています。1869年とは日本でいえば、明治2年です。『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)によると、フランスのナポレオン3世がバターの代用品のアイデアを募集し、化学者のメージュ・ムーリエが考案したみたいですね。

ギリシア語のマーガライト(真珠)が語源です。植物や動物の油(液体)に白色固形の脂肪(硬化油)を混ぜ、乳化剤・香料・色素・食塩水・発酵乳などを加えて練り合わせた色が、真珠のようだったからマーガリンと命名されたのだとか。

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そのフランスで生まれたマーガリンは1908年に横浜で初めて国産されます。戦後の1950年ごろに技術の改良が進み、1955年には純植物性のマーガリンが生まれ、1968年ごろからソフトタイプも誕生しました。全て日本の話です。

子どものころに筆者が使っていたマーガリンは、まさにソフトタイプでした。温めて溶かさなければ使えないバターと違って、冷蔵庫から出してすぐに塗れるマーガリンの柔らかさを子どもながらに便利だなと感じていた気がします。

アメリカでも1930年代から徐々に規制が緩和され、マーガリンが普及します。酪農業界から圧力が掛かって販売に法規制が掛かっていたみたいですが、国内産(アメリカ産)の植物油脂に切り替えてから広まり始めたみたいですね。

しかし、そんなマーガリンも(正確にいえば硬化油を使ってつくったマーガリンも)、いまではカナダやタイのように製造・輸入・販売が禁止されている国もあります。

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硬化油とは、植物や魚の液体の油に水素を加えて適度な硬さにした加工油脂です。この硬化油を別名で水素添加油脂ともいい、トランス脂肪酸が含まれます。しかし、

<トランス脂肪酸については、食品からとる必要がないと考えられており、むしろ、とりすぎた場合の健康への悪影響が注目されています>(農林水産省のホームページより引用)

と世界的に問題視されています。

もちろん、トランス脂肪酸は天然の食品にも含まれていて、頭ごなしに敵視すべき相手ではありません。メーカーの企業努力によってトランス脂肪酸の少ないマーガリンも続々と市場に出てきています。

<日本人の場合、1人1日当たり2グラム未満が目標量とされるが、農林水産省が2008年に実施した調査結果では、日本人が1人1日当たり食べているトランス脂肪酸の平均的な量は、0.92~0.96グラムと推定されている。ただし、日本人でも食事から取る脂質の量が多い場合には、トランス脂肪酸を取る量も多くなることが報告されている>(朝日新聞『知恵蔵』より引用)

トランス脂肪酸がバターよりも少ないマーガリンも存在するくらいなので、トランス脂肪酸の与える健康への影響を心配してマーガリンを避ける必要も、日本ではなくなっているといえるでしょう。

しかし、硬化油を使った食品(マーガリンなど)を禁止する国も実際に世界にあって、トランス脂肪酸濃度の表示を義務付ける台湾のような国もあるのですね。

このように日本ではごく普通に食べられているもののなかには、海外で禁止されているケースも珍しくありません。そのため日本を訪れた外国人によっては「これを食べるのか!?」と驚くこともあるようですね。

たしかに自国で食べ慣れていないものを海外で見かけると、なかなか手を出しづらいこともありますよね。ただ、育った環境が異なれば食文化が違ってくるのも当たり前。お互いの異文化を理解しながら、交流を深めていきたいですね。

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