日本ではごく普通のように食べられているグルメのなかには、海外では食べられていない、または法律で禁止されているものも珍しくありません。
例えば、日本では高級食材として親しまれている「フグ」も、海外では危険だから食べてはいけないと禁止している国もあります。
そのため日本を訪れた外国人のなかには、「え…それ食べるの?」と思うグルメもある様子。そこで今回は、海外では通じない、日本では当たり前に食べられている食についての異文化をご紹介していきます。
※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。
世界で2番目に「卵」を食べる日本人
卵の消費量が世界でトップクラスに多い国はどこだと思いますか?
過去10年以上、不動のトップ2の国があります。ひとつがメキシコ、もうひとつが日本です。メキシコ人は、世界で最も多く卵を食べる国民らしく、日本人は2番目に多いと分かります。
2019年のデータでいうと、1年間でメキシコ人が372個、日本人が338個を食べているらしいです。365日のうちで338個ですから、ほぼ毎日卵を食べているかたちになります。筆者の実感としても毎日1個は卵を食べている気がしますが、皆さんはいかがですか?
しかし、卵を食べない人たちも地球上には存在します。健康問題に限らず、宗教上の理由から食べない人たちが多く暮らす地域があるのですね。例えば、インドやネパールに暮らすヒンドゥー教徒の人たちが挙げられます。
日本の外務省によれば、インド人の79.8%がヒンドゥー教の信者だとされています。ネパールの場合は81.3%。ヒンドゥー教徒によっても肉の制限の仕方はそれぞれですが、卵を食べない人も信者のなかには少なくないといわれています。
その理由は、ヒンドゥー教において菜食主義が尊重されているからです。肉・魚・卵・生ものが避けられる傾向があって、筆者がかつて知人のネパール人女性に日本のお菓子を好意で送った際にも、上述の食材が使われていないか、どのような油が調理に使われているか、繰り返し聞かれました。
「食中毒になる危険があるので、フィリピンでは『生卵』を絶対に食べません。なので日本人が卵かけご飯を食べる姿を見てショックを受けました。日本の生卵なら安心ですが、最初はびっくりしましたね」(フィリピン出身)
「食べる文化がなかったので、いまだに生卵を食べるのは怖いと思ってしまいます…」(アメリカ出身)
また、国土交通省の資料によると、ヒンドゥー教徒に食事を出す際には、ベジタリアンかベジタリアンでないかをまず聞くといいとのこと。
ベジタリアンだとの答えがあった場合は、どのくらい厳格なベジタリアンなのか、例えば卵は食べられるかどうかなどを確かめるとトラブルが回避できるそう。
ニンニク・ニラ・ラッキョウ・タマネギ・アサツキなど、においが強かったり、収穫時に土の中の生き物を傷つける可能性が高かったりする作物を一切口にしない厳格なベジタリアンもいます。食の違いは、世界の多様性を学ぶ格好の教材になってくれますね。